悩める人退職時や再就職時のお金で得する手続き…?



退職後に受け取れる給付を確認しておきたい…



こんな疑問・悩みを解決します!
- 失業給付
- 失業給付と年金
- 就職促進給付
- 高年齢再就職給付金
- 教育訓練講座の受講料
- 職業訓練受講給付金
はじめに



退職後の給付金は主に3種類あります。定年後の生活のためにも必要です。退職後に受け取れる給付を確認しておきましょう。
失業給付(雇用保険の基本手当)
雇用保険に加入して働いていた会社員が会社を辞めて、
- 離職して雇用保険の被保険者でなくなったこと
- 就職する意思と能力があり、積極的に求職活動を行なっていること
などの要件を満たした上で、ハローワークで求職申込みをすると、「失業給付(雇用保険の基本手当)」が支給されます。
60歳で定年退職になった人は、自己都合退職の場合に課せられる2か月の給付制限はなく、7日間の待期期間の後、すぐに支給対象となります。
- 失業給付金を受給するまでの流れ -
- 退職
- 勤務先から離職票を受け取る
- 住所地のハローワークで求職の申込手続きを行う
- 受給資格決定
- 雇用保険受給者初回説明会
- 失業認定日にハローワークへ
- 基本手当が振り込まれる
- 所定給付終了(再就職)
離職票が届いたら、ハローワークで「求職の申し込み」をします。
この手続きでは再就職の希望条件などを書き入れた「求職申込書」と「雇用保険被保険者離職票」を提出します。
受給資格の決定後、雇用保険受給者説明会の日時が指定されます。
説明会では、雇用保険について重要な事項の説明と「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」が配布され、その後、失業認定日に失業の認定を受けると、基本手当が振り込まれます。



実際には、4週間に一度ずつ、指定された失業認定日にハローワークに出向き、その1週間後に28日分ずつ指定口座に振り込まれる仕組みになっています。
65歳未満で離職し失業給付を受けるためには、離職する日以前の2年間に、雇用保険に加入した期間(被保険者期間)が12か月以上必要となります。
この場合、賃金の支払われた日が11日以上ある月、又は賃金支払いの基礎となった労働時間数が8時間以上ある月を被保険者期間1か月として計算します。
但し、
- 倒産や解雇による離職の場合
- 期間の定めのある労働契約が満了し、本人が労働契約の更新を希望したにも関わらず、更新がないことにより離職を余儀なくされた場合
- 正当な理由のある自己都合による退職の場合
などでは、離職前1年間のうちに被保険者期間が6か月以上あれば受給資格があります。
- 失業等給付(基本手当)の主な受給条件 -
- 就職先が決定していない状態
- 離職前2年間、被保険者期間が1年以上
- 働こうとする意思がある
- 健康状態など、就職できる能力がある
- 現在無職で、積極的に就職先を探していること
定年退職後にもらえる失業給付は、退職前の賃金に応じて基本手当の日額が決まり、雇用保険の被保険者期間によって給付日数が決まる仕組みです。
倒産・解雇などの会社都合で失業した人は、年齢によっても給付日数は異なります。
受給額の目安は、下記の計算式で分かります。
- 基本手当日額(1日当たりの金額)×給付日数(合計の給付日数)=失業給付の総額(合計の受給額)
基本手当日額は、退職前6か月の給与(ボーナスを除く)を180日で割った1日当たりの賃金に、45~80%の給付率を掛けた金額です。
給付率は、退職前の賃金が低い人ほど高く、賃金が高い人ほど低くなり、上限を超える人は上限額になります。



退職時の年齢と賃金日額によって割合が異なり、上限・下限も設定されています。65歳以降で退職した場合は、最高で基本手当の50日分を「高年齢求職者給付金」として受け取ります。
尚、失業給付の受給期間は、原則として「離職の翌日から1年間」となっています(例外あり)。
高年齢求職者給付金
60歳以降も、継続雇用などで勤め続ける人は、失業給付は関係ないと思われるかもしれません。
しかし、60歳以降は1年契約になる会社もありますし、いずれは退職する時期がやってきます。
定年から数年後に退職した人でも、再度働く気持ちがあれば、失業給付を受給できます。
60~64歳で退職する場合、つまり「満65歳」になる前に退職する人であれば、上記で紹介した手続きの流れや計算方法により、失業給付の基本手当が受け取れます。
60歳以降は給与が減少する人が多いため、基本手当の日額は定年直後に受給する場合よりは減るかもしれませんが、給付日数の条件は変わりません。



しかし、満65歳になってから退職する場合は、給付金が異なります。65歳以降の人も同じようにハローワークで求職手続きができますが、この場合に支給されるのは「高年齢求職者給付金」という一時金に変わります。
- 65歳以降に退職したとき -
- 基本手当日額×給付日数50日(30日)=高年齢求職者給付金
65歳以降の退職者がもらえる一時金は、上記のように基本手当の日額に、一律50日分(勤続1年未満=30日)を掛けた金額になります。
まとめて一括受給できるのは嬉しい反面、60~64歳で退職する場合の失業給付の総額に比べれば、受取額は減少します。
例えば、被保険者期間が20年以上ある人が65歳の誕生日の2日前までに自己都合で退職すると、最長150日分の基本手当が受けられますが(会社都合で辞めた場合は最大240日分)、65歳の誕生日の前日以降に退職すると、基本手当の50日分を高年齢求職者給付金として受給できるだけになります。
また、65歳前に退職した人は、総額で最大182万9,520円(基本日額の上限で計算)の基本手当がもらえますが、退職が65歳になると最大で一時金として38万1,150円になります。
つまり、約145万円もの差が出てしまうのです。



65歳の誕生日の2日前以前で退職していれば、求職手続き中や受給期間中に65歳になっても、通常通りの給付日数で基本手当が受け取れます。さらに、65歳以降、老齢年金の受給が始まっても年金が支給停止にならず、年金と基本手当が同時に受け取れます。
今までずっと加入してきた雇用保険です。
こうした制度や、求職者向けサービスは、事前によく調べて上手に活用しましょう。
失業給付と年金
65歳前後で失業給付を受ける時は、年金との関係で、退職する時期によってもらえるお金に大きな差が出てしまいます。



先ず、原則として「失業給付」の基本手当と年金は同時にもらえません。60~64歳で「特老厚(特別支給の老齢厚生年金)」がある人は、基本手当の給付が終わるまで特老厚は支給停止になります。
一方で、65歳以上の人は、失業給付の種類が「高年齢求職者給付金」に切り替わるため、失業給付と年金を同時に受け取ることが可能です。
- 65歳以上 … 高年齢求職者給付金 / 年金との併給可
- 65歳未満 … 基本手当 / 年金との併給不可



65歳までは「老齢年金」と「失業手当」はどちらかしかもらえないことを覚えておきましょう。64歳のうちに失業手当の手続きをすると、「老齢年金」はストップしてしまいます。ストップした期間分は、後からはもらえないので、年金がストップする期間がなくなるようにしましょう。
就職促進給付
雇用保険の基本手当(失業給付)は、受給中に再就職すると、支給日数が残っていても支給が終了しますが、早く再就職すると「就職促進給付」がもらえる場合があります。
就職促進給付には、支給日数や再就職の形態によって「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」などがあります。
このうち、再就職手当は、基本手当の支給日数を3分の1以上残して再就職した場合、残りの基本手当日額の70%もしくは60%が一括支給されます。
支給日数の残りが3分の2以上で70%、3分の1以上3分の2未満で60%になります。
また、再就職手当に税金は掛からず、就職先からの給与と非課税の再就職手当の両方を受給できます。



支給には、離職した前の会社や前の会社と関わりの深い会社への就職ではない、過去3年以内に再就職手当をもらっていないなど、幾つか条件があります。
受給には先ず、基本手当の手続きの際にもらった「採用証明書」を再就職先に記入してもらいます。
それを就職日前日にハローワークに持参し、失業認定を受けます。
その際に「再就職手当支給申請書」をもらうので、再就職先に記入してもらい、ハローワークに提出すれば手続きが完了します。
他に、「就業促進定着手当」は、再就職手当をもらった人が、再就職先で6か月以上勤め、かつ給料が前の会社より下がった場合に支給されます。



この手当てがもらえるのは、残りの基本手当の40%(再就職手当の給付率が70%の人は30%)で、1年契約などの常用雇用以外の場合は対象外です。
「常用就職支度手当」は、雇用保険の基本手当などを受けている人のうち、障害がある人や一定の年齢以上の人など、就職が難しいとされる人が「安定した職業」に就いた時に支給される一時金です。
高年齢再就職給付金
定年などで会社を退職して、失業給付(基本手当)をもらっている人が、再就職で給料が下がった場合に、下がった金額によってもらえる給付金が「高年齢再就職給付金」です。
給付の条件は、再就職した時に、失業給付の基本手当が100日以上残った状態で、再就職先での給料が前の会社の75%未満に下がることです。
支給される金額は、どれだけ給料が下がったかによって変わります。
例えば、再就職先の給料が前の会社の給料の74.5%に下がった人は、新しい賃金の0.44%が支給され、61%以下に下がった人は、最大支給率である、再就職先の賃金の15%が支払われます。
支給期間は、基本手当の残日数が100日以上200日未満の人は1年、200日以上の人は2年です。



安定した職業に就いた場合、「高年齢再就職給付金」と「再就職手当」の両方を同時に受給することはできません。条件が当てはまる人はどちらかを選択することになります。
高年齢再就職給付金は、給付期間が長く、賃金が変動すれば給付額も変わるという特徴があります。
その一方で、同時に「特別支給の老齢厚生年金」を受給する人は、年金額の一部が減額される場合があります。
高年齢再就職給付金の条件に該当し、再就職手当を受給しない場合は、会社を管轄する公共職業安定所に給付金を申請します。



通常、会社が手続きしてくれます。初回の手続きで「高年齢雇用継続給付支給申請書」、「高年齢雇用継続給付受給資格確認票」、「雇用保険被保険者資格取得届」、「受給資格確認票」などの必要書類を提出し、以降は指定された月に申請します。
これに対して、再就職手当は、一時金としての支払いなので、支給されても年金が減額されることはありません。
複雑な計算が必要になりますが、受給を始めると変更できないので、よく考えて選択するようにして下さい。
教育訓練給付金
再就職の際に活用できそうな資格を取るなら、退職前から受講できる講座を調べておき、教育訓練給付を受給するのがお勧めです。
この制度では、講座受講料の20~70%を国が補助してくれます。
対象はプログラミング、簿記、社会保険労務士、介護、税理士、大学院修士課程など「厚生労働大臣が指定した講座」で、通学の他に通信教育が該当するものもあります。
給付には「一般教育訓練給付金」「特定一般教育訓練給付金」「専門実践教育訓練給付金」があり、雇用保険の被保険者か、一定の要件を満たす被保険者だった人は、失業中でも在職中でも利用できます。
一般教育訓練給付金は、通信講座などでも受講できるもので、10万円を上限として、講座に支払った費用の20%が支給されます。
但し、給付額が4,000円を超えない場合は支給されません。
特定一般教育訓練給付金は、再就職やキャリアアップに役立つ講座が対象になっています。
原則として、支払った受講料の40%が支給され、上限は20万円です。
専門実践教育訓練給付金は、指圧師、美容師、電気工事士などの、より専門的な資格を目指す講座を対象とした給付で、年間上限額を40万円(訓練期間が3年の場合は120万円)として、講座に支払った費用の50%相当額が支給されます。



さらに、資格取得後1年以内に条件を満たして就職すると、20%相当の費用が追加で支給されます。その場合、支給上限額は168万円(訓練期間3年)になります。
教育訓練給付金の支給申請手続きは、教育訓練を受講した本人が受講終了後、本人の住所を管轄するハローワークに申請します。
もし訓練科目を決めかねていたり、何となく職業訓練に興味があったり、違う職種へのキャリア変更を考えている場合は、訓練前にキャリアコンサルティングを活用してみるのもお勧めです。



教育訓練給付制度の対象となる厚生労働大臣が指定した講座を調べるには、厚生労働大臣指定教育訓練講座の検索システムを活用すると便利です。分野・資格名やスクール、キーワードから検索できます。
職業訓練受講給付金
ハロートレーニング(公的職業訓練)は、通称「ハロトレ」と呼ばれ、雇用保険の対象外の人の求職活動もバックアップしてくれる無料の職業訓練制度です。
たとえ60代であっても働く意思があり、ハローワークで求職活動を行なっていれば利用可能です。



例えば、失業給付を受けている間に再就職できなかった、雇用保険の加入期間が足りずに失業給付が受けられなかった、自営業を廃業したといった人たちも対象になるので、自分が対象者かどうか確認してみて下さい。
この制度を利用すると、IT、建設、製造、介護、デザイン、理美容など多種多様な求職者支援訓練、又は公共職業訓練が、無料で受講できることに加え、職業訓練受講給付金も支給されます。
訓練期間は1コース2~6か月で、受講期間中、毎月給付されます。
支給額は月額10万円で、通所手当として所定の交通費が支給されるほか、宿泊が必要となった場合は寄宿手当が月額1万700円もらえます。



但し、給付金をもらうには、所得制限や講座の出席率などで細かい要件があるので注意しましょう。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
- 全ての訓練実施日に出席している
- 世帯の中に給付金を受給して訓練を受けている人がいない
- 過去3年以内に、不正行為により、特定の給付金を受給したことがない
これら全てを満たしていないと給付は受けられません。



公共職業訓練は、失業手当を受給している人がハローワークによって必要と判断されると、原則無料で受けられます。また、訓練を受けている間は、要件を満たすと、失業手当の給付期間が延長されます。
まとめ
退職後に受け取れる給付として、主なものに「失業給付」「就職促進給付」「高年齢再就職給付金」の3つがあります。
先ず、失業給付の基本手当と年金は同時にもらえないことを知っておきましょう。
60~64歳で特老厚(特別支給の老齢厚生年金)があれば、基本手当の給付が終わるまで特老厚は支給停止になる一方で、65歳以上で退職した人は、失業給付の種類が高年齢求職者給付金に切り替わるため、失業給付と年金を同時に受け取ることが可能です。



65歳で退職するよりも、65歳未満で退職する方がお得になる場合があります。65歳以降に失業給付を受ける時は、年金との関係で、退職する時期によってもらえるお金に大きな差が出てしまうことに注意して下さい。
次に、雇用保険の基本手当(失業給付)は、再就職すると終了するのが基本ですが、早く再就職すると就職促進給付がもらえる場合があります。
就職促進給付には、支給日数や再就職の形態によって「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」などがあります。
このうち、再就職手当は、基本手当の支給日数を3分の1以上残して再就職した場合、残りの基本手当日額の70%もしくは60%が再就職手当として一括支給されます。
支給日数の残りが3分の2以上で70%、3分の1以上3分の2未満で60%になります。
再就職手当に税金は掛からず、就職先からの給与と非課税の再就職手当の両方を受給できます。
支給には、離職した前の会社や前の会社と関わりの深い会社への就職ではないなど、幾つか条件があります。



再就職手当の対象は、基本手当の支給日数を3分の1以上残して再就職した人です。再就職手当は、早く再就職するほど、給付率が高くなります。
そして、高年齢再就職給付金は、定年などで会社を退職して「失業給付(基本手当)」をもらっている人が、再就職で給料が下がった場合に、下がった金額によってもらえる給付金です。
給付の条件は、再就職した時に、失業給付の基本手当が100日以上残った状態で、再就職先での給料が前の会社の75%未満に下がることです。



60歳で賃金が下がらない場合でも、職業安定所に必要書類を提出しておくと「受給資格確認通知書」が交付されます。賃金が同通知書に記載されている額を下回った場合に支給申請書を提出します。
さらに、再就職の際に活用できそうな資格を取得したいなら、プログラミング、簿記、社会保険労務士などの教育訓練給付を受給するのもお勧めです。
公共の職業訓練を利用すれば、再就職に向けてお得にスキルアップできます。
ハロトレを利用すれば、雇用保険の対象外でも職業訓練が受けられる場合があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
