悩める人おひとりさまが終活でやるべきこと…?



何から始めれば良いか分からない…?



こんな疑問・悩みを解決します!
- 人生の晩年でやっておくべき老いじたく
- 終活に関する具体的な手順とロードマップ
- 医療・葬儀・お墓・死後・相続の手続き
はじめに
病気や介護、財産整理、相続、死後の手続きまで、人生の晩年には想像以上に多くの手続きが必要になります。
しかし、これら「終活」に関する手続きは、何となく縁起が悪いと感じたり、手続きが大変そうで目を逸らせてしまいがちです。
「まだ元気だから、もう少し後になってからでいいや…」と先延ばしにしている人も多いのではないでしょうか。
でも、健康でいられる時間は、そう多くは残されていません。
日本の健康寿命と実際の寿命の差は男女共に約10年。
人生の終わりを迎える10年前には、既に自分1人では生活を送るのが難しい状態に陥っているかもしれないのです。



終活に早過ぎるということはありません。人生の最後に「もっと早くから終活をしていれば…」と後悔しないためにも、少しでも元気なうちからスタートしましょう。
終活の手順とロードマップ
財産整理や相続に関する手続き、医療やお墓のことまで、終活でやるべきことはたくさんあります。
ここでは、何から始めれば良いか分からないという人のために、人生残りの10年でやるべきことをまとめました。
終活を始める際の参考にして下さい。
終活最後の10年前
心も体も元気なうちにやっておきたい事柄は、最低でも健康寿命の平均である70代前半から半ばまでには済ませたいもの。
早くやるに越したことはないので、できるだけ直ぐに取り掛かりましょう。
- エンディングノートを書く
- 財産目録を作る
- デジタル遺品のパスワードをまとめる
- 法定相続人を調べておく
- 財産の分配を決める
- 墓じまいをするか決める
- 霊園の見学に行く
- どんな葬儀にしたいか決める
自分の趣味嗜好や過去の思い出を振り返り、気持ちの整理の棚卸しをすることからスタート。
現在の預貯金や不動産、保険などをエンディングノートに書き留めて財産目録を作り、自分の財産がどのくらいあるのか把握します。
自分の死後、家族が困ることの一つが、デジタル遺品のパスワードが分からないこと。
認知症になる可能性があることも考慮し、エンディングノートなどにまとめておきます。
法定相続人とは、遺産を受け取る権利のある人のことを指します。
法定相続人は故人の配偶者と血族だけに限られます。
親や子、兄弟姉妹といった人がこれに当たり、養子縁組などで戸籍上親子関係になった人も含まれます。
特に再婚されている場合は前妻との間の子も相続人なので、どこに住んでいるかも要確認を。



法定相続人には優先順位があり、優先順位の高い人が存在する場合は、低い人には相続されないことを覚えておきましょう。
エンディングノートを使って自分の財産を把握したら、誰にどのように財産を残したいか考えます。
墓じまいとは、墓石を片付けて土地を更地に戻し、お寺や霊園に返却すること。
お墓を完全に閉じるケースと、お墓の形態を変えて存続させるケース、いわゆる「お墓のお引っ越し(改葬)」の二種類があり、増えているのは後者になります。



お墓の引っ越しの場合は、次の供養先をどこにするかなど決めることがたくさんあり、手続きに時間も掛かるので、どうするのかはできるだけ早く決めておきましょう。
お墓の引っ越しや新たにお墓を建てるなどの場合は、実際に足を運んで決めることが重要。
出掛けるのが難しくなる前に早めの行動を。
自分の死後、家族が困らないためにも、葬儀の希望をエンディングノートにまとめておきましょう。
書いて終わりではなく、定期的に見直すことも大切。
交通事故など不慮の死のケースも考慮し、早めに取り掛かること。
終活最後の5年
終活で決めるべき基本事項がある程度進んだら取り掛かりたい項目をご紹介。
こちらも早めにやるに越したことはないので、終活が早く進んでいる人は、どんどん取り掛かってOK!
- 不要な不動産は売却する
- 資産価値のあるものは現金化する
- 生命保険を見直す
- 遺言書を書く
- 事前指示書を書く
- 委任契約・任意後見の検討
両親から引き継いだ使い道のない土地や別荘など、不要な不動産がある場合は後の相続にも関係してくるので、早めの売却を検討します。
そろそろ身の回りの整理を始める時です。
宝石や骨董など、資産価値のあるものは現金化しておくと相続もスムーズに。
引き継いでほしい時は、誰に引き継いでほしいかを考えておくことも大切。
生命保険は相続税対策や、賢い相続対策の必需品です。
生命保険の契約にはメリットがたくさんあります。
- あげたい人に確実に財産をあげられる
- 遺言があってもなくても換金しやすい
- 代償資金として活用できる
- 相続税を支払う原資となる
- 生前贈与に活用できる
- 遺留分を減らしたい時に使える
- 500万円×法定相続人まで非課税
- 相続放棄をしても保険金は受け取れる
生命保険の受取人に指定できるのは、基本的に「配偶者」や「二親等位以内の血族」です。
但し、生命保険会社によっては、内縁関係にある人や同性のパートナーを指定できる場合もあります。
各社が設けているルールで決まるので、自分が渡したい人に確実に保険を渡せるかは保険会社の窓口等で確認する必要があります。
相続対策の一つとして「遺言書」を書きましょう。
遺言書には「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があります。
このうち、自筆証書遺言や秘密証書遺言は自分で書けて内容を誰にも知られない反面、書き方のルールに沿っていないと無効になる可能性も。
作成に手間や費用が掛かりますが、一番のお勧めは公正証書遺言です。
人生の晩年、自分の意思や希望が伝えられなかった時に備え、死後を迎える際の場所や延命治療の希望などを、事前指示書(尊厳死宣言書)にまとめておきましょう。
認知症のように、自分で意思判断ができない状態と診断されると、財産管理や契約などの手続きができなくなるため、任意後見人を指名しておくことも大切。
委任契約、任意後見契約を活用することで、親族間のトラブルを防ぐことにも繋がります。
終活最後の1年以内
この頃にはほぼ全ての終活は終え、最後の見直しに時間を充てたいところ。
終活に関する自分の考えは死の間際まで変わってくるものなので、できるだけ見直しをしましょう。
- 身の回りの整理を終わらせる
- 遺言書を見直す
- 事前指示書を見直す
残された家族にとって、思い出の詰まった遺品整理は苦労するもの。
家族に負担を掛けないためにも、なるべく物が最小限になるよう整理しておきましょう。
遺言書の内容に不備がないか、自分の今の希望と沿っているかなどの最終確認をしておきましょう。
死生観は変わるものなので、以前自分が書いた事前指示書(尊厳死宣言書)と今の気持ちに変更したい箇所がないか見直しておくと安心です。
ひとり老後でやるべき終活
ひとり老後だからこそ、最期を迎える瞬間や死後のことまでしっかり考えておきたいもの。
住居の処分や身の回りの整理、更には墓の用意などまで、準備することは意外に多く、だからこそ、体も心も元気なうちに準備を始めましょう。
エンディングノート
エンディングノートという言葉を聞いたことがありますか?



エンディングノートは、人生の終わりに備えて、自分の希望や大切な情報を書き残すノートです。終活という言葉が広く知られるようになると共に、エンディングノートを書いておこうと考える人が増えています。
遺言書が自分の財産をどのように残すかを民法の規定に従って書き残したもの、遺書が死ぬことを前提に自分の気持ちを書き表した最後のメッセージであるのに対して、エンディングノートとは、終末期に意思疎通ができなくなった時や自分が亡くなった後に、看取ってくれる人や遺族が、様々な手続きや判断をする上で必要な情報を書き表しておくためのものです。
エンディングノートは、法的効力は持ちませんが、その分、自分の思いを自由に書くことができます。



エンディングノートは市販のものがたくさん販売されているので気に入ったものを使っても良いですし、自分でノートに書き出しても構いません。
但し、日付は忘れずに入れておきましょう。
ノートを書いた人がいつ頃からそう思っていたのかなども分かります。
これも思い出を伝える大切なことだと思います。
- エンディングノートに書いておきたい内容 -
- 資産について
自分が亡くなった後に相続人が手続きに困らないように、資産を明らかにしておきましょう。
例えば、預貯金や年金、株式、不動産、生命保険などのプラスの資産だけではなく、借金やローン、クレジットカードなどの情報も明確にしておくと、手続きが楽になります。
- 介護と医療への希望
突然倒れた時には、持病や服用薬などの情報があると便利です。
また、余命の告知や延命措置についての希望も書いておきましょう。
- 葬儀・お墓への希望
自分が死んだらどんなお葬式をしてほしいか、呼びたい人の希望はあるか、などを書いておきましょう。
また、「海に散骨してほしい」など、希望する納骨方式がある場合には、その旨も書いておくと良いでしょう。



↓では、エンディングノートのヒントになりそうな項目を紹介しています。項目が多いので、早いうちから作っておいて、時々見直すのがお勧めです。
- 財産リスト
- 借金、保証人
- 加入している保険
- 尊厳死・献体登録・臓器提供の意思の有無
- 病名や余命の告知の希望
- 持病、常用薬、かかりつけ医、血液型、アレルギー
- 健康保険証の種類・番号
- 介護保険証の番号
- 年金の情報
- 介護の希望
- 家族以外の交友関係
- 臨終に立ち会ってほしい人
- 訃報を知らせてほしい人と不要な人
- 葬儀の希望
- 喪主になってほしい人
- 葬儀に呼んでほしい人
- お墓、納骨、供養の希望
- 遺言書の有無
- 生前契約の有無とその内容
- 形見分けリスト
- 法定相続人・先祖の家系図
- ペットのこと
- 本籍地
- 自分の歴史・経歴・趣味
- その他、伝えたいこと
まだまだ元気と思っていても、必ず老いはやってきます。
そして、病気のリスクも高くなり、自分の死後についても考えなければならない時期がやってきます。
将来の不安は考えたらきりがないかもしれませんが、エンディングノートを使うことでその不安を減らすことができます。
遺言書を書く
独り暮らしだからこそ、自分が死んだ後の財産の行方について、遺言書を書いておきたいものです。
遺言書は法律の決まりに従って記入する必要があり、「普通方式遺言」と「特別方式遺言」の大きく二つに分けられます。
このうち一般的なのは普通方式遺言で、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類あります。
- 自筆証書遺言 … 本人が遺言の全文、日付、氏名を自書(署)し、押印して作成する遺言書
- 公正証書遺言 … 公証人に作成してもらい、かつ、原本を公証役場で保管してもらう遺言書
- 秘密証書遺言 … 本人が証書に署名・押印した後、封筒に入れ封印して公証役場で証明してもらう遺言書
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言を残す人が遺言の全文・日付・氏名を自書(署)し、押印して作成します。
一人で作成できるため、他の遺言と比べて費用も掛からず簡単です。
但し、内容を専門家に相談して作るわけではないので、法的に不備があれば無効となってしまいます。
また、遺族に遺言書を見つけてもらえない可能性があります。



2020年7月10日から、法務局で自筆証書遺言を預かってもらえる「遺言書保管制度」が始まりました。この制度を使うと、遺言書の紛失や改ざんの防止に繋がります。更に、相続開始後は家庭裁判所の検認が不要です。
- 自筆証書遺言の書き方 -
- 遺言の内容、日付、遺言者の署名を全て自書する
- 日付を明記する
- 記載内容は具体的に書き曖昧な表現を使わない
- 不動産は登記簿謄本通りに正確に記載する
- 預貯金は金融機関の支店名、預金の種類や口座番号まで記載する
- 署名・押印する
- 加除訂正は決められた方式に従って行う
- 封筒に入れて封印する
自分が死んだ後に遺言の内容を確実に実現するために、「遺言執行者」を予め指定しておきましょう。
遺言執行者は、相続開始後に遺言の内容を具体的に実現してくれる人です。
また、ビデオで録画したものや、パソコンに入ったままのものは認められないので、必ず文書にしておきましょう。
公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人に作成してもらい、かつ、原本を公証役場で保管してもらいます。
作成・保管共に公証人が行なってくれるので、法的に最も安全・確実です。
- 公正証書遺言の作り方・大まかな流れ -
- 遺言書の原案を作る
どういう内容にするか、具体的な条件や契約事項をまとめておきます。
費用は掛かりますが、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談して一緒に考えることもできます。
👇
- 必要な書類を準備する
遺言者本人の印鑑証明書と実印、財産資料、戸籍謄本などのほか、財産を渡す相手の戸籍謄本なども必要となるので、何が必要かしっかり確認の上、必要な書類を用意します。
👇
- 証人に依頼をする
公正証書遺言では、証人が2人必要です。
一般には、内容を理解できる成人が証人候補になります。
実際に誰が適切かは、公証人が最終確認します。
👇
- 公証人と打ち合わせをする
どういった内容の遺言にしたいのか、誰に財産を残したいのかなど、公証人と事前に打ち合わせを行います。
弁護士などの士業に依頼することも可能です。
👇
- 公証役場へ申し込む
遺言書の原案と必要書類が準備できたら、公証役場に提出します。
全て不備なく提出できたら、作成日の予約が取れます。
👇
- 証人と公証役場へ行き、公正証書を作成する
証人2人以上と公証役場へ向かい、公証人立会いの下、作成手続きがなされます。
口述ができるのであれば、費用は高くなっても、公証人に自宅や病院まで出張してもらって作成することもできます。
手続きが完了したら、原本は公証役場で保管、正本・謄本は遺言者に交付、遺言執行者が指名されている場合、正本は遺言執行者に預けます。



確実に遺言書を作成できる代わりに、それなりの費用(作成手数料)が掛かります。修正するには再度作り直すことになり、その度に費用が掛かります。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、ワープロや代筆も可能で、遺言者が自署・押印した上で封印し、公証人に提出して一定の手続きを経た後、封紙の控えのみ公証役場で保管をしてもらいます。
費用が発生する上、中身に不備があれば無効となります。



遺言書を作るなら、専門家に相談することをお勧めします。弁護士や行政書士は、預貯金などの相続だけでなく、ペットのその後や寄付の相談にも乗ってくれます。不動産中心なら司法書士に相談しても良いでしょう。
延命治療の意思表示
誰もが年を取り、最期は何かしらの病気や事故で人生の幕を下ろします。
人生の最期をどこで迎えるか、どのように過ごすのか、いずれ訪れる死と向き合うのは勇気がいることかもしれません。
延命治療とは、治療という言葉が含まれているものの、一般的には「何らかの方法を施さなければ死に至る状態を生き延びさせる医療行為」という意味で使われています。
但し、どこからどこまでを延命治療としているか、明確に定義されているわけではありません。
例えば、末期がんや高齢者の寝たきり状態、認知症の末期症状など、すぐに死に至るような状態ではなくても延命治療という言葉が使われることがあります。
延命治療については「過度な医療行為ではないか」「無駄ではないか」という議論がある一方で、末期がんでの痛みを抑える緩和療法のように、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めてその人らしい時間を過ごすための延命治療は肯定的に受け入れられる傾向にあります。
- 延命治療の種類 -
- 心臓マッサージなどの心肺蘇生
- 人工呼吸器の装着
- 気管挿管
- 気管切開
- 昇圧剤の使用
- 輸血・血液製剤の使用
- 人工透析の実施
- 鼻チューブによる栄養補給
- 中心静脈による栄養補給
- 胃瘻による栄養補給 など
自分では「延命治療は必要ない」と思っていても、意識がない場合や意思表示ができない場合には、自分を看取ってくれる親族の意見に左右されかねません。
自分の人生の最期をどのように迎えたいか、できる限り意思表示をしたいものです。
とは言え、何から始めたら良いのか分からない人も多い筈。
自分で考えているだけでは物事は進みません。
家族や医師などに自分の意思を伝える手段を持つことが必要です。



そこで、ぜひ元気なうちに取り組んでほしいのが、事前指示書(尊厳死宣言書)の作成です。そして、保険証と一緒に保管して、いざという時は、意識のあるうちに医師に提出したり、親族に託したりしておくことが大切です。
事前指示書(尊厳死宣言書)とは、将来、自分の希望や意思を伝えられなくなり、治療の選択ができなくなった時に、どのような治療や医療処置を受けたいか、自分に行われる医療行為に対する意向を、事前に意思表示しておく文書です。
最期まで自分らしく、自分が望む医療を受けられることを目的としています。
また、エンディングノートを書いている人やこれから書く予定がある人は、事前指示書とセットにして保管しておくと安心です。
事前指示書は一度書いたら、それで終わりというものではありません。
医療の進歩と共に治療やケアの方法は日々変化していきます。
自分や家族の状況、死生観が変わっていくこともあるでしょう。



定期的に見直すことが大切です。年に一度は見直しをして、希望が変わった場合は、書き直したり、書き足したりしていきましょう。自分の「誕生日」から書くようにすると、忘れないのでお勧めです。
そして、事前指示書を修正した時は、家族や医師にも最新のものを渡して下さい。
事前指示書に法的な拘束力はありませんが、事前に医師に知らせることで、自分の望む最期が確実なものになっていきます。
葬儀・お墓
葬儀
おひとりさまも、いつかは亡くなります。
先ずは「お葬式」をどうするか、考えてみましょう。
最近は葬儀を簡略化する傾向にあり、様々なスタイルの葬儀が行われるようになりつつあります。
通夜と告別式を二日間かけて行う従来のスタイルである「一般葬」に対して、通夜を簡略化して行う「一日葬」、家族だけで行う「家族葬」「密葬」の他に、通夜や告別式を行わず、火葬だけ行う「直葬」といった簡略化した葬儀が増加しています。
また、宗教に囚われず、葬儀で故人が生前好きだった音楽を流したり、祭壇をフラワーアレンジメントで飾ったりする「自由葬」、親しい人たちで故人を偲ぶ「お別れ会」なども、最近人気の葬儀スタイルとなっています。
- 葬式の種類と特徴 -
| 種類 | 内容 |
| 一般葬 | 血縁者以外も参列。1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式、火葬を行う |
| 家族葬 | 家族や親しい友人などが参列し、小さな規模で行われる |
| 一日葬 | 通夜を省いて、葬儀・告別式と火葬を1日で行う形式の葬儀 |
| 直葬・火葬式 | 通夜や葬儀・告別式などを行わず、火葬だけを執り行う |
| 密葬 | 近親者だけで行う。周囲には死亡したことを伏せて行う点が家族葬とは異なる |
| 自由葬 | 宗教に囚われず、音楽葬など、個人らしさを偲べるような、自由なスタイルで行う |
| お別れ会・偲ぶ会 | 葬儀とは別に、後日故人とお別れをする自由なスタイルの式典 |
| 生前葬 | 自分自身が生きているうちに執り行う葬儀 |



このように、葬儀のスタイルも様々。自分の葬儀はこのようにしたいという希望があれば、事前に葬儀社と契約して準備しておくのも良いでしょう。
お墓
葬儀のスタイルが様々あるように、お墓にも色々な形式があります。
| 種類 | 内容 |
| 一般墓 | 先祖代々受け継いでいくお墓 |
| 納骨堂 | 室内(納骨堂)に遺骨を保管するタイプのお墓 |
| 永代供養墓 | 寺院や霊園が遺族の代わりに故人を供養してくれるお墓 |
| 樹木葬 | 墓石の代わりに樹木や花を墓標とするお墓 |
| 散骨 | 火葬した後の遺骨を細かくして、海や山などに撒く供養の方法 |



公営墓地は価格が安く、民間墓地は宗教を問わないことが多く、寺院墓地は自分の宗派に沿って供養してもらえるというのが、それぞれの特徴です。
納骨堂は、霊園や寺院の建物内に遺骨を保管する形式のお墓です。
永代供養は、お墓を管理する人がいなくても、お寺が管理・供養を行なってくれます。
この他、樹木の周辺に遺骨を安置する樹木葬や、海に骨を撒く海洋散骨なども最近では人気を集めています。
墓じまい
最近、墓じまいをする人が増えてきました。
と言うのも、少子化に伴い、お墓を守る人も少なくなってきたことが理由として挙げられます。
お墓は、祭祀継承者(お墓を継ぐ人)が墓参りに行かなくなったり、管理料を支払わずに連絡が取れなくなったりした場合に、「無縁墓」として扱われます。
そして、最終的には撤去されて、中の遺骨は、複数の遺骨をまとめて埋葬する「合祀墓」に入れられます。
お墓を継ぐ人が自分以外にいないというのであれば、早めに墓じまいをしておきたいものです。



とは言え、遺骨は遺体の一部とされるため、勝手に自分で移動することはできません。墓じまいには様々な手続きが発生するのです。そこで、墓じまいの流れを紹介しましょう。
先ず、お墓の中に誰の遺骨があるのか、把握しておきます。
そして、それぞれの遺骨の祭祀継承者同士で、遺骨をどうするかを決めます。
多くの場合、墓じまいをする理由は、墓守がいないことなので、合祀や散骨、手元供養などの維持費が掛からないものを選びます。
手元供養とは、遺骨を自宅など身近に置いて故人を供養する方法で、自宅供養とも呼ばれています。
後々トラブルにならないように、念のため、祭祀継承者間で合意書を取り交わしておくことをお勧めします。
墓じまいを決めたら、お寺や霊園の管理事務所に「改葬届」を提出します。
改葬とは、一度葬った遺骨を別の場所に移すことを言います。
別の移転先へ改葬する場合は「改葬許可証」、新しいお墓に移す場合は先方からの「受入証明」「埋葬証明」などが必要となります。
そして、墓石を撤去する業者を選定します。
寺院や霊園に相談すれば、業者を紹介してもらえます。
業者にお墓の中の遺骨を取り出してもらったら、新しい骨壺に入れたり、散骨の場合には粉末化するなどの手入れを行なってもらいます。
最後に、墓地を更地にしてもらえば、墓じまいは終了となります。
- 墓じまいの流れ -
- 家族に相談する
- お墓の中身を把握しておく
- 墓じまい後の遺骨の行き先を決める
- 祭祀継承者同士で意見をまとめる
- 墓地管理者に知らせる(現在の墓地管理者に改葬届を提出する)
- 改葬許可申請をし、現墓がある自治体に改葬許可証を発行してもらう
- 墓を撤去する専門業者を決める
- 遺骨を取り出しメンテナンスする
- 墓石を撤去し更地にする
- 受入証明・埋葬証明をもらう
- 納骨し、移転先の自治体に改葬許可証を提出する
※同時に行うことが大切です。



無用なトラブルを避けるために気を付けたいのは、決して自分一人で決めないこと。受け継がれてきたお墓をしまうのですから、兄弟姉妹、親族にも相談することが肝要です。
成年後見制度
認知症を発症し、意思判断能力が失われた状態になってしまうと、財産管理や契約などの手続きが一切できなくなり、様々な場面でトラブルが発生します。
- 認知症になったらできなくなる主な手続き -
- 金融機関 … 融資、定期預金契約・解約、口座引き出し、振り込み
- 金融商品 … 有価証券、債券、外国為替、投資信託などの取引
- 生前贈与 … 現金、住宅取得等資金、教育資金などの贈与
- 不動産 … 売却、購入、貸す、借りる、土地測量、リフォーム
- 生命保険 … 契約締結・解約、保障内容や支払方法の変更
- 相続手続き … 遺言書の作成・修正、名義変更、事業の許認可
先ず、金融機関は顧客が認知症であることを知ると、あらゆる取り引きを制限します。
定期預金の契約や解約、融資なども受けられません。
契約している口座から預金を引き出すといった日常的な行為も自由にできなくなります。
株式や債券、投資信託などの金融商品の取り引きもできなくなるため、場合によっては大きな損失を被ることがあります。
不動産の売却や購入はもちろん、貸すことも、借りることもできないのです。
子供への住宅の贈与もできなくなります。
生命保険の契約や解約、変更もできません。
遺言書の作成や、既に遺言書が残されていても、医師の診断など客観的な証拠がある場合、意思判断能力が喪失した状態で書かれたものとして、その遺言書は無効とされる可能性が高くなります。
このように認知症になると判断能力がないものと見なされ、本人による契約が一切できなくなります。
資産を動かすことが不可能となり、口座から現金を引き出すことすらできなくなるため、日常生活の維持が困難になります。



脅かすわけではありませんが、誰もが認知症になる可能性があります。来たるべき老後に向けて、そのようなトラブルを未然に回避するために有効なのが「成年後見制度」です。
成年後見制度は、知的障害・精神障害・認知症などによって一人で決めることに不安や心配のある人が、色々な契約や手続きをする際にお手伝いする制度です。
成年後見人の役割は、医療や介護、福祉など、身の周りを保護して生活を支援することです。
- 預貯金や年金などの収入・支出を管理する
- 不動産や車などの資産の管理・処分
- 家賃、施設費、税金、公共料金などの支払いを行う
- 介護サービス、医療、施設入所などに関する契約を本人に代わって行う
- 定期的に本人と面会し、体調や生活状況、困りごとを把握する
- ケアマネジャー、福祉施設、医療機関、家族などと連絡・調整する
- 本人に不利益な契約や金銭トラブルがないか確認する
- 家庭裁判所へ財産や支援状況を報告する
具体的には、銀行口座、年金、税金、公共料金の支払いなどの財産管理や不動産の管理、要介護認定の申請、老人ホームの入居契約など本人の希望や身体の状態、生活スタイルなどを考慮して、必要な介護サービスや医療が受けられるようにサポートします。



但し、生活をサポートするといっても、食事の世話や介護などは成年後見人の任務ではありません。本人の希望を聞き、日常生活に困らないように配慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるように介護契約の締結や医療費の支払いなどを行います。
任意後見と法定後見
成年後見制度には「任意後見」と「法定後見」があります。
任意後見は、認知機能が正常で判断能力があるうちに、本人自らが後見人を選んで契約を結びます。
任意後見には、任意後見契約の締結と同時に契約が発効する「即効型」、本人の判断能力が低下してから発効する「将来型」、本人の判断能力が低下して任意後見契約が発効するまでの間は、任意代理契約を締結する「移行型」などがあり、本人の状況や希望により選択することができます。
法定後見は判断能力が不十分で、自分で後見人を選ぶことができないとした場合に、家庭裁判所の手続きによって、後見人が選任されます。
本人の判断能力の程度によって「3つの類型」があり、判断能力が不十分な方は「補助」、判断能力が著しく不十分な方は「保佐」、判断能力が欠けているのが通常の状態の方は「後見」が保護や支援をします。
手続きは後見開始の審判の申し立てから始まり、調査や審問などの審理を経て審判を行い、審判が確定してから後見登記となります。
また、成年後見制度と類似の制度に「家族信託制度」があります。



こちらも認知症と診断される前に財産の管理を信頼する家族に託して任せる制度ですが、信託契約書の作成や不動産の場合は信託登記が必要となり手続きに手間が掛かるので、まだ元気なうちに任意後見契約を結んでおくことをお勧めします。
尚、任意後見の場合も、公正証書にしないと効力がありません。
死後事務委任契約
独り暮らしの老後は、孤独死の心配が付きまといます。
- 自宅で死亡
- 警察(検死)
- 遺体の引き取り手なし ➡ 自治体が火葬
- 遺体の引き取り手あり ➡ 親族が葬儀
- 遺骨の引き取り手なし ➡ 永代供養
- 遺骨の引き取り手あり ➡ 親族が供養
自宅などで死亡した場合、遺体は「身元不明の不審死」として扱われます。
警察で検死が行われ、遺体の身元確認のため、DNA検査が行われることもあります。
その後、親族が遺体の引き取りを拒否した場合には、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律に基づいて、自治体が費用を立て替えて火葬を行います。
そして、親族がいる場合には、遺骨は親族に返還されます。
このとき、親族には自治体が立て替えた火葬費用が請求されます。
身寄りが全くいない場合、又は、親族が遺骨の引き取りも拒否した場合には、一定期間保管され、無縁仏として永代供養されます。



「自分の人生の最後が無縁仏になるのは寂しい」と考えるのであれば、「死後事務委任契約」を結んでみては如何でしょうか。
独り暮らしをしていて亡くなった場合、遺体の引き取り先や火葬の手続き、お墓の問題だけでなく、死亡届や生命保険の請求、公共料金の停止の手続きやクレジットカードの停止など、様々な手続きを誰がやるかという問題が発生します。
親族がいる場合には、葬儀や遺品整理、相続の取りまとめをやってくれるかもしれません。
しかし、家族も体が不自由だったりすると、様々な手続きが手付かずで放置されてしまう可能性があるのです。



そこで、予め死後の様々な手続きを代行してくれる「死後事務委任契約」を交わしておくことをお勧めします。死後事務委任とは、自分が亡くなった後に発生する事務的な手続きを信頼できる人に生前に依頼しておく契約です。
- 死後事務委任契約で依頼できる内容の例 -
- 遺体の引き取り
- 葬儀、埋葬、納骨
- 親族や友人・知人などへの死亡連絡
- 役所への死亡届の提出、戸籍関係の手続き
- 自宅の売却
- 賃貸住宅の退去と明け渡し、敷金などの精算
- 遺品整理
- 相続人への相続手続き
- 入院・入所費用の精算
- 健康保険、公的年金などの資格抹消手続き
- 公共サービスなどの解約手続き
- 所得税・住民税などの納税手続き
- 生命保険・医療保険の受け取り
- SNS・メールアカウントの削除 など
死後事務委任契約では、葬儀や埋葬・散骨の手配はもちろん、保険証や運転免許証の返納などの行政への届出を行なってくれます。
更には、友人・知人への死亡の通知、医療費の未払い分の精算、公共料金やインターネットなどの解約、自宅の片づけ・遺品の処分まで、実に多岐にわたっています。



死後事務委任契約は、親族や友人とも結べますが、弁護士や司法書士、行政書士といった専門家に依頼する方が確実でしょう。認知症になるなど、判断力が低下した場合に利用する「任意後見制度」と併せて契約しておくと更に安心です。
臓器提供・献体



死後、自分の遺体を何か社会の役に立てたいと考えている人もいるでしょう。自分が死んだ時に、臓器や遺体を誰かのために役立てたいと考えるなら、「臓器提供」や「献体」を検討すると良いでしょう。
臓器提供
おひとりさまの中には、死後に臓器提供をしたいという希望のある方もいるかもしれません。



臓器提供は、自分の臓器を移植が必要な人の治療に役立てることです。臓器提供には、「脳死後の提供」「心臓停止後の提供」の2種類あります。
2010年には法律が改正され、生前に書面で臓器提供の意思表示をしている人はもちろんですが、意思表示をしていない人や、15歳未満の人まで、家族の同意・承諾さえあれば臓器提供ができるようになりました。
日本では、遺体を傷付けることをタブー視する傾向がありますが、生前の本人の意思が明らかであれば、遺族も同意する可能性が高まります。
意思表示は、「日本臓器移植ネットワーク」のホームページにアクセスして登録するほか、臓器提供意思表示カードに記入して持ち歩く方法があります。
意思表示カードは、各自治体の役所、保健所、全国のハローワーク、運転免許試験場、免許の更新ができる警察署、コンビニエンスストアの一部などで手に入ります。
また、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカード(個人番号カード)への臓器提供意思表示欄に記入する方法もあります。
- 臓器提供に関する意思表示 -
- ㈳日本臓器移植ネットワークのホームページで意思登録をする
- 運転免許証や健康保険証に意思表示欄があればそれに記入する
- 意思表示カードやシールに記入する



意思表示を示したカード等は常に携帯しましょう。臓器提供には家族の同意も必要なので、生前に家族に話して理解してもらうことも必要です。
献体
献体とは、医・歯学生が身体の構造を学ぶ解剖のために、自分の遺体を無報酬・無条件で提供すること。
献体を希望する場合は、予め医科や歯科の大学に献体を申し込んで、登録しておく必要があります。
申し込み先は、原則、住民票がある地域の大学になりますが、年齢条件があったり、受付をしていない大学もあって、自分で探すのは大変です。
そのため、「日本篤志献体協会」に連絡をして、申込書と共に送られてくる献体受付大学のリストを見て選ぶ方が手間が省けます。
- 献体するための手続き -
- 献体先を探す … 献体手続きを行なっている大学や団体を探す
- 申込書を送付 … 献体篤志家の団体、或いは医科・歯科大学に問い合わせをして申込書を入手する
- 献体登録証の発行 … 申込みが受理されると、会員証と献体登録証が発行される
実際の手順は、登録者の死亡後二十四時間以内に家族が会員証にある連絡先に電話し、遺体の引き渡しの日時を打ち合わせることから始まります。
遺体の引き渡し自体は、通常は葬儀後でも可能です。
出棺後に、本来火葬場へ送られる遺体が大学に送られることになります。
引き渡された遺体は解剖実習が行われ、その後大学により火葬にされ、遺骨として、1~3年後に遺族のもとへ返されるのが一般的のようです。
身寄りのないおひとりさまでも献体はできますが、基本的に献体は遺骨を返還します。
身寄りがなくて返還できない場合や臓器提供を希望する場合は、献体登録を受け付けないところもあるので、予め大学などに確認すると良いでしょう。
献体は、家族が解剖に同意していることが条件です。
生前は家族が解剖に同意していても、死後に心変わりした場合は献体できません。
自分の死後に、大学に連絡をするのは遺族なので、家族や親族に十分に理解してもらう必要があります。



身寄りがないおひとりさまの場合は、大学に連絡してくれる人を探しておきましょう。さらに、献体登録証は常に携帯することをお忘れなく。
- 献体する前に知っておきたいこと -
- 献体は死後「48時間以内」が望ましい
- 遺骨が戻ってくるまでに「1~3年」ほど掛かる
- 葬儀前に献体すると、遺体なしで葬儀を行うことになる
- 葬儀後の献体は、通夜・告別式後に火葬場ではなく献体先に向かう
- 火葬費用・搬送費は献体先負担 (但し、通夜などの葬儀費用は遺族持ち)
- 死後に臓器を提供するドナー登録をしている場合は、ドナー登録が優先される場合がある
- 献体後の火葬は家族の立ち合いは許可されていない
- 献体者に家族がいない場合は、大学などの納骨堂に合祀され、慰霊祭も行われる
- 大学によっては納骨堂が設置されていないこともある



注意しなければいけない点は、実際に献体を実行するのは遺族だということ。遺族の中で反対する人がいたら献体はできなくなります。生前に、家族としっかりと話し合っておくことが大切です。
遺贈・死因贈与



自分が死んだら、寄付をしたい、特定の人に財産を残したいと考える人もいるでしょう。その場合には、「遺贈」と「死因贈与」の二つの方法があります。
- 遺贈 … 遺言によって与える財産や割合を指定する方法
- 死因贈与 … 贈与者と受贈者が生前に契約を交わし、贈与者の死亡によって財産を与える方法
遺贈
遺贈とは、遺言によって、特定の人に財産を残す方法です。
遺贈は、その指定方法の違いにより、①特定遺贈と②包括遺贈に分かれます。
①の特定遺贈は、「Aに自宅を」「Bに〇〇社の株式を〇株」というように、誰に何を渡すかを具体的に指定する方法です。
そして、②の包括遺贈は、「Cに財産の全てを」「Dに財産の3分の1を」というように、相続分の割合で渡す財産を指定する方法です。
包括遺贈を受ける人は、相続人でなくても、相続人と同等の権利・義務を持つことになります。
- 特定遺贈 …「〇〇の土地」「□□の株式」など、与える財産を特定する
- 包括遺贈 …「全財産の1/4」など、与える財産の割合を指定する
受け取る側(受贈者)の意思確認は必要ありませんが、受贈者は受け取りを拒否することもできます。
また、死亡する前であれば、財産を与える側(遺贈者)は何度でも遺贈する内容を書き換えることができます。
死因贈与
死後に財産を渡す手段として、相続や遺贈の他に、死因贈与という方法もあります。
これは、「自分が死んだら〇〇に1,000万円を贈与する」というように、生きているうちに贈与者の死亡を条件とした贈与契約を結ぶ方法です。
遺贈が財産を渡す側の一方的な意思であるのに対し、死因贈与は財産を渡す側とそれをもらう側の双方の合意が必要です。
従って、遺贈者の死後に受贈者の意思だけで受け取りを拒否することはできません。



死因贈与は、遺贈や生前贈与のように、誰に対しても行えます。双方の合意が必要という点はあくまでも「贈与」ですが、財産を残す人が亡くなった時点で渡すため、相続税が掛かります。
死因贈与のメリットは、渡す側にとっては財産を渡したい人に確実に渡すことができ、もらう側にとっても事前に何をもらえるかが分かるという点です。
死因贈与の場合、遺言は必要ありませんが、双方に合意があったことを証明しなければなりません。
口約束だけでなく、契約書を交わし、確定日付印を押してもらう、又は公正証書にするなどしておいた方が良いでしょう。
負担付遺贈・負担付死因贈与
例えば、財産をあげる代わりに自分が死んだら「ペットの世話をしてほしい」「妻の介護をしてほしい」「妻に生活費として毎月10万円ずつ渡してほしい」という場合、①負担付遺贈、又は②負担付死因贈与の方法があります。
①の負担付遺贈では、あげる人からの一方的な意思表示なので、もらう人はその内容を拒否する可能性もあるでしょう。
一方、②の死因贈与の場合は、生前に両者の合意のもとに契約しているので、履行される可能性は遺贈よりも高いと言えます。
まとめ
終活という言葉は、ここ十数年で急激に普及し、今や殆どの人がその言葉を一度は耳にしたことがある時代となりました。
しかし、実際に終活をしている人は、まだそこまで多くないのが実情です。
終末医療・介護・葬儀・お墓など、どれも気になってはいるけれど、未体験のことなので具体的なイメージが湧かず、「何となく大変そう」「そんな縁起でもない」「まだまだ元気だから」などと言って、自分の死と向き合うことを先延ばしにしている人が多いのが現状です。
しかし、終活は決してネガティブなものではなく、今までの人生を振り返りこれからの人生をどう生きていくかを考えることで、最後まで自分らしい人生を楽しく送るための手引きとなる存在です。



今は元気でも、いつか病気で寝たきりになったり、突然事故に巻き込まれたり、認知症になるかもしれません。その日が来ることを考えるのが怖いという気持ちも分かります。しかしながら、問題を先送りにしたからと言って、リスクや不安がなくなるわけではないのです。
死の間際、「こんな筈ではなかったのに…」と、後悔や不安を抱くことがないように、明るくポジティブな気持ちで終活に取り組んでみましょう。
また、人間は誰しも歳を重ねれば体力や気力が衰え、何か新しいことを始めたり決断したりするのが億劫になるものです。
体が不自由になれば、手続き一つするのも一苦労となるでしょう。
そうなる前に、できることは元気なうちから少しずつ始めるのが満足のいく終活をするためには非常に重要となります。
そして何より大切なことは、自分の過去を振り返り、後悔の無い幸せな人生を締めくくるには、今後どうすれば良いか自分の心を見つめ直すこと。
気持ちの棚卸しをすることが、終活の最初の一歩と言えるでしょう。



近年は少子高齢化や未婚化が進んで、身近に頼れる人がいないおひとりさまが増えていますが、一人で生きていくための不安をカバーする、新しい制度や民間のサービスも生まれています。
介護が必要な方や独り暮らしの高齢者をケアする「介護保険制度」や「見守りサービス」、自分が亡くなった後に事務手続きを任せる「死後事務委任」や「遺言執行人」など、事前に申し込んでおくと安心できます。
- おひとりさまにお勧めの主なサポート例 -
- 成年後見制度 … 判断能力が失われた場合に備え、自分が選んだ人に、代わりにしてもらいたいことを契約で決めておく制度(任意後見)
- 見守りサービス … 単身の高齢者を対象に、電話連絡やカメラの設置、訪問などの方法で健康状態を確認するサービス
- 介護保険制度 … 介護が必要となった人も自立して生活できるように、社会全体で支えて家族の負担を軽減する制度
- 死後事務委任 … 自分の死後に発生する、葬儀や遺品整理、死亡届の提出などの事務手続きを事前に依頼しておく
- 遺言執行者 … 遺言書の内容に従って、相続財産の管理や相続人の調査、財産の引き渡しなどの手続きを執行する



旅立つその日まで自分らしく、悔いの無い人生を送るために、死に支度は、より良く生きるための「生き支度」でもあるのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


