悩める人一人ではお金も気持ちも不安…。



今からできる対策はある?



こんな疑問・悩みを解決します!
- おひとりさまの終活全般
- おひとりさまの家計対策
- おひとりさまの老後対策
- おひとりさまの死後対策
- おひとりさまの相続対策
おひとりさまの心得
おひとりさまというと、シングルの人のみを指すと思われる人もいるかもしれませんが、子供のいない夫婦も、最終的には必ず「おひとりさま」になります。
多くは夫が亡くなり、妻がおひとりさまになるというケースでしょう。
人間に必ず訪れる死。
どんな夫婦にも「伴侶との別れの時」がやって来ます。
事故などは別にして、夫婦が同時に死ぬ可能性は低いものです。
たいてい夫か妻のどちらかが先に亡くなり、残された方のおひとりさま暮らしが始まります。
長年そばにいた相手が突然目の前からいなくなったら…。
明日からどうしますか?
ひとりで生活ができますか?



おひとりさまになるリスクが高い人は「特別な終活」が必要になります。特別な終活とは、おひとりさまやその予備軍が将来直面する可能性の高いリスクに対して準備すべき終活です。
- 特別な終活が必要な人 -
- おひとりさま・身寄りのない人 … 配偶者、子、兄弟姉妹、甥姪などの親族が誰もいない場合
- 親族と疎遠の人 … 子がいても長い間会っていなかったり、兄弟姉妹や甥姪などがいてもあまり付き合いのない場合
- 親族が高齢者のみの人 … 親族が同年代の配偶者や兄弟姉妹のみの場合
- 親族・周囲の人に迷惑を掛けたくない人 … 体が不自由になったり、認知症になったり、死亡したりした時に、親族に負担を掛けたくない場合
- 自分のことは自分で決めたい人 … 葬儀や納骨の方法、相続に関することなどを、親族に任せるのではなく、自分で決めておきたい場合
生涯独身でいる人だけでなく、配偶者に先立たれるなど、おひとりさまになる可能性は誰にでもあるので、老後資金を確認して、早めに準備をする必要があります。



誰もが「おひとりさま」になり得ます。リスクへの備えはできていますか?
おひとりさまの準備
家族や親族など身内に頼れる人がいない高齢者の場合、どんな対策が必要になるのでしょうか。
元気なうち、正常な判断能力があるうちは、状況に応じて各種サービスを利用しながら生活していくことができるでしょう。
しかし、次の4つについては「事前の準備」が不可欠です。
- 体が不自由になったとき
- 判断能力が不十分になったとき
- 終末期医療が必要になったとき
- 死亡したとき



これらについては、支援や代理をしてくれる人が必要になります。そのための契約について、以下で順を追って説明していきましょう。
- おひとりさまリスクに備える6点セット -
- 身体機能が衰えたときに支援してもらいたい … 財産管理契約
- 判断能力が衰えたときに支援してもらいたい … 任意後見契約
- 今後の自分の状態を把握しておいてもらいたい … 見守り契約
- 自分らしく最期を迎えたい … 尊厳死宣言書
- 自分の死後の財産について指示しておきたい … 遺言の作成
- 自分の死後に必要となる手続きなどをしてもらいたい … 死後事務委任契約
- 財産管理契約 … 生活に関する事務手続きを第三者に代行してもらう契約
- 任意後見契約 … 将来、判断能力が不十分になった場合に備え、後見人を事前に決めておく契約
- 見守り契約 … 定期的に電話連絡や自宅訪問で安否や生活状況を確認する契約
- 尊厳死宣言書 … 延命治療を拒否して、自然に死を迎えるための文書
- 遺言書 … 相続に関すること・財産の処分に関すること・身分に関することについて法的拘束力を有する文書
- 死後事務委任契約 … 役所への届け出、葬儀社の手配、納骨手続き、電気・水道・ガスの停止・部屋の片付け、遺品整理などの事務手続きを第三者に委任する契約
ここで紹介した「財産管理契約」「任意後見契約」「死後事務委任契約」「遺言書」は、「認知症になる前」➡「認知症になった後」➡「死後」というように、対象期間が異なる契約が段階的に必要になるので、同じ相手に任せるのが通常です。
これら4つはいずれも公証役場で作成しますが、財産管理契約、任意後見契約、死後事務委任契約と分けるのではなく、3つを1つにまとめて作成します。
もちろん、必要な部分だけの契約もできます。



おひとりさま予備軍は「特別な終活」が必要です。心身とも元気なうちに「6点セット」を準備しましょう。
おひとりさまの家計
自分の力で、自分らしいセカンドライフ・サードライフを送るには、やはり「先立つもの」が必要です。
先ず、家計に関してやらなくてはいけないのは、今現在の金融資産(預貯金や株式・投資信託・外貨預金・貯蓄型保険・その他)がどのくらいあるかの整理作業です。
金融資産と共におひとりさまがしっかり把握しておきたいのが負債、つまり「借金」です。
もし、住宅ローンがあって、定年までに完済したいと考えるなら、繰上げ返済を計画的に行う必要があります。
マイカーローンや教育ローン、フリーローン、キャッシング、クレジットカードのリボ払いなど、その他の借入れがある場合も全て洗い出してみましょう。
収入は公的年金のみで、蓄えを取り崩す生活。
そうなっても、自分らしい老いを楽しむには経済的な準備が欠かせません。



浪費癖がついている人は、年金の範囲内で生活が成り立つように、家計を見直すことが大事です。現状の家計の「6~7割」に抑えるのを目標にしましょう。
おひとりさまの年金
リタイア資金の柱としては、何といっても「公的年金」です。
先ずは、これが幾らくらいもらえるのかを把握する必要があります。
これを把握するには、「ねんきん定期便」を見るほか、日本年金機構のホームページ内にある「ねんきんネット」でも確認ができます。



自分は年金をいくら受け取れるのか…



自分一人の年金で、自分を養い続けられるのか…
おひとりさまは、配偶者はもちろんのこと、子供もいないわけです。
家計に掛かるお金はもちろんのこと、介護等についても家族に頼ることが難しくなります。
気を付けたいのが、女性のおひとりさまです。
一般的に、女性の年金収入は男性より少ない傾向にあります。
男性に比べて厚生年金の加入期間が短く、給料額も低いことが原因だと思われます。
アルバイト・パート勤務で、社会保険に加入していない場合は、国民年金(老齢基礎年金)のみとなり、非常に低額となってしまいます。
リタイア後の生活期間が長く、年金が少ない女性のおひとりさまは、年金を増やす対策が必須と言えます。



対策の基本は、公的年金を増やすことです。
①パート・アルバイト勤務で社会保険に加入していない
- 勤務時間を増やす等で「社会保険」への加入を検討する
②社会保険に加入できない
③社会保険に加入している
- 長く働くこと
その他、民間保険会社が扱っている個人年金保険に加入しても良いでしょうし、銀行等で積み立てをするのも、リタイア後の立派な資金になり得ます。



見込み額は「ねんきん定期便」に記載されています。年金額に合わせた生活が基本です。
おひとりさまの保険
生命保険で備えるリスクを大きく分けると、「生」「老」「病」「死」の4つがあります。
- 生 … 子供が生まれて育て上げるまでの経済的リスク
- 老 … 長生きリスク
- 病 … 病気・ケガによる経済的リスク
- 死 … 亡くなった後の遺族の経済的リスク
人生90年時代で言えば、折り返し地点は45歳。
その辺りを過ぎたおひとりさまにとって、今後の人生を考える際に備えなければいけないリスクは何かと言えば、上の4つの中で言うなら、「病」と「老」です。
医療保障と長生き保障を考える必要があります。
「生」は、人によっては関わる人もいるかもしれませんが、子供がいても既に手を離れているかもしれません。
「死」については、遺族に残す必要がある場合を除き、死亡保障は葬儀費用の300万円程度で十分でしょう。
無駄な保険料は削減して、「病」や「老」に備える保障にお金を使った方が合理的です。
逆に、もしも死亡保障が不足している場合(貯蓄で賄えない場合)は、新規に加入が必要です。
安い保険料で一定期間の保障をカバーしたいなら「定期保険」、実は高額保障が必要なら遺族年金のように毎月給付されるタイプの「収入保障保険」、保険料が高くても一生涯の保障が必要なら「終身保険」と、利用する保険種類を使い分けましょう。



おひとりさまに死亡保障は不要です。おひとりさまは「長生きリスク」に備えましょう。
医療保障
これまでは病院と無縁だったという健康な人でも、年老いていくに連れ、病気やケガのリスクが高まります。
突然倒れて、緊急手術、長期入院が必要になる可能性もゼロではありません。
退職後は勤務先の福利厚生制度を受けられなくなるため、何かと心配になると思いますが、公的な医療保険がなくなるわけではありません。
病気やケガの際に最も頼りになり、心強いのは公的医療保険です。
公的医療保険には、会社員が入る健康保険、自営業者などが加入する国民健康保険があります。
いずれも保険証を医療機関で提示すれば必要な治療が受けられ、自己負担となるのは医療費の3割など一定の割合です。
また、公的医療保険には医療費負担を軽減する高額療養費制度があり、ひと月の自己負担額には上限が設けられています。
それでも不安という人は、民間の医療保険が視野に入るかもしれませんが、民間の医療保険は保障対象の条件に合わなければ給付金は受け取れません。



ある程度貯蓄がある人なら敢えて医療保険には加入せず、保険料を払ったつもりで医療費の備えを貯蓄で積み立てていくという選択肢もあります。
長生き保障
長生きリスクの一つに「介護リスク」があります。
寿命が延びつつある昨今、要介護の程度に差はあっても、他人のケアを受けないと生活できない期間が必ずあると思っていた方が良いでしょう。
そうなると、当然、自立した生活よりお金が掛かります。
おひとりさまは、家族がケアをしてくれることは考えにくいので、お金の用意がないと必要なケアを受けられないかもしれません。
方法としては、医療・介護予備費をしっかり準備するほか、民間の介護保険に入るのも一法です。
民間の介護保険に加入した方が良いかどうかは、医療保険やがん保険などと同じ考え方ができます。
介護への備えは誰でもあった方が良いです。
その備えを貯蓄でするのか、保険を使うのかは人によって異なります。



万が一のための備えは、先ずは「貯蓄」で賄うのが基本です。保険はあくまでも、貯蓄だけでは足りない部分を補う役割に過ぎません。
おひとりさまの借金
老後資金準備などを考えると、住宅ローンがあるおひとりさまの場合、できるだけ早く返し終えたいもの。
住宅ローンが早く終えれば終えるほど、老後資金を貯める時間が残ります。
しかし、既に大きめの家を購入してしまい、住宅ローンが過重になっている場合は、手が打てるうちに手を打つしかありません。
やれることとしては、次のようなものがあります。
- 危機感を持つ
- 効果が見込めるなら借り換えをする
- 繰上げ返済を行う(期間短縮型)
- 売却も検討
危機感を持つことは家計を見直す原動力にもなり、とても大事なことです。
資産価値が下がりにくい物件であれば、無理をしても払い続ける価値はありますが、そうでない物件でローンが負担になっているなら、売却も視野に入れて検討しましょう。



完済時の年齢を遅くともリタイアしたい年齢にしましょう。
おひとりさまの介護
自分の介護も大きな不安に感じるおひとりさまを、親の介護が直撃したら…。
それが5年、10年と長引いたら…。
全くの絶縁状態でもない限り、おひとりさまでも介護の担い手として優先順位が高い位置にいる時は、予め覚悟して備えておくことが大事です。
要介護状態になる原因で最も多いのは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患です。
つまり、介護は予告もなく突然やってくる可能性があるのです。



親が健康でいてくれるのが一番ですが、もしもの時にはどうするのか、兄弟姉妹とよく話し合っておくことも大事です。
- 介護は長男の仕事だ
- 嫁が介護するのが当たり前
- 今どきは長女がやるべき
- 子供がいなくて身軽な人が看るべきだ
誰か一人に押し付けようとするとトラブルになりかねないので、皆でできることをする、というイメージを共有しておくのが良いでしょう。
誰かが介護を担うなら、担わない人は必要な物を買って送るなど、費用が掛かる時は積極的に負担するのです。
手が空いた時は、もちろん介護も交代しましょう。



おひとりさまが、「親の介護」或いは「自分の介護」に備えるためには、次のようなことをやっておくと良いでしょう。
- 介護保険制度を知っておく
- 介護用の予備費を準備しておく
- 親自身にも介護資金を用意しておいてもらう
- サードライフ(要介護期)はどこで迎えるか想定して準備を
- 兄弟姉妹がいても主に一人で介護を担うのであれば、遺言などでより多く財産を残してもらう



介護保険制度を知っておくこと。親の介護と自分の介護を考えておきましょう。
おひとりさまの保証
おひとりさまで老後を迎える人は「身元保証人」が気になるものです。
病院や施設が患者や入所希望者に身元保証人を求めることがあり、中には保証人がいないと入所を認めない施設もあるからです。
保証人には、子など身内がなることを期待され、高齢の場合、身内でも二人の保証人を求められることもあります。
家族や親族がいても、子供に頼みたくない、親戚の世話にはなりたくないという人もいるでしょう。



成年後見制度の後見人は、病院の入院や施設への入所などの保証人にはなれません。
老人ホームによっては、後見人は保証人にはなれないものの、緊急連絡先として認めてくれるところもあるようです。
また、保証人不要の高齢者向け賃貸住宅を利用するという方法もあります。
病院の入院時については、友人や知人でも受け入れてくれる場合もあります。
或いは、病院によっては、保証金を預けることで保証人が不要になることもあるようです。



保証人の当てがない場合など心配事がある時は、病院の医療相談室や患者相談室などで相談できるかどうか、入院前に確認をしてみることをお勧めします。
最近は、高齢者の方々の人口が増えてきたこともあり、身元保証などをしてくれる団体や法人は、全国にたくさんできています。
こういった団体は、提供しているサービスも様々ですし、費用もそれぞれに違います。



一番大切なのは、どの団体・業者のサービスが自分に合っているかを判断することです。そのためには、しっかりと情報を収集しましょう。
おひとりさまの住処
人生の3割を占める定年後の時間。
おひとりさまライフで、この時期の重要な要素となるのが「住まい」です。
60代以降、健康な時期が続けば良いですが、やがて体が不自由になる時期がやってくるかもしれません。
- 健康で気力も意志力もあるセカンドライフ
- 見守りが必要なサードライフ
- 身体が思うように動かなくなって、中度から重度の要介護状態になるサードライフ後期
それぞれをどこで暮らすのでしょうか。
先ずは、元気に過ごせるセカンドライフ期の住まいを考えてみましょう。
現在、持ち家で、今の家に住み続ける場合は、リフォームや建て替えの必要性も考えて、資金の準備をしておく必要があります。
建て替えるかどうかは、サードライフの住まいで考えて結論を出しましょう。
住み替えといっても、実家にUターンする、田舎暮らしをする、逆にインフラの整った都会に出るなど色々あるでしょう。
- 新たな家を購入するのか?
- 借りるのか?
- 元々持ち家だった場合、元の家を売却するのか?
- 人に貸すのか?
必要な資金面の準備も手を打っておかなければなりません。
- 賃貸派でこれまできたおひとりさまも、今後もずっと賃貸でいくのか?
- これから住宅を購入するのか?
資金の準備を行うためにも、よく考えてみましょう。



現在住んでいる家をどうするか考えつつ終の住処を探しましょう。
健康な時だけでなく、サードライフの住まいをどうイメージするかについても、一度しっかり考えておく必要があります。
特に、要介護状態になった時にどこで暮らし、誰に見てもらうのかは、おひとりさまが最も不安に思うところです。
要介護度も、軽度の時と、重度や認知症になった時と、それぞれを想定して考えておく必要があるでしょう。
- サービス付き高齢者向け住宅
- 有料老人ホーム
- ケアハウス
- グループホーム
- 老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
入居一時金が用意できて、毎月の費用も無理なく捻出できるなら、介護付き有料老人ホームを利用することもできます。
但し、特定の施設に限りませんが、いくら準備をしていても、タイミング良く空きがなくて入れなかったり、入居したは良いけれど、スタッフや入居者と合わないなどの理由で、施設を転々とする方もいます。



施設によって介護保険サービスの内容や費用が異なります。住んでみて、入ってみて分かる部分もあるので、費用を準備する際も、施設を移転するかもしれないコストを余分に見込んでおいた方が無難です。
おひとりさまの最期
まだまだ元気と思っていても、必ず老いはやってきます。
そして、病気のリスクも高くなり、自分の死後についても考えなければならない時期がやってきます。
- 体が不自由になったり、更に寝たきりになったとき
- 認知症や病気などで判断能力が低下してきたときの介護
- 重病や不治の病になったときの病名や余命の告知、延命治療
終末期医療
尊厳死とは、ケガや病気で回復の見込みがなく死期が迫っている時に、自分の意思で延命措置を止めてもらい、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えることを言います。
これを希望する場合には、予め「尊厳死の宣言書」や「事前指示書」などを作成しておくことが必要です。
意思表示ができない場合でも、誰かに頼んでおいて、文書を提示すれば良いのです。
延命措置が行われるのは、食事が口から摂れなくなった場合と心臓が停止した場合、自力で呼吸ができなくなった場合などがあります。
- 胃にチューブを入れて行う胃瘻
- 鼻からチューブを入れて行う経鼻栄養法
- 中心静脈にカテーテルを挿入して血液中に直接栄養を入れる方法
- 水や塩分補給のための末梢点滴
- 心臓マッサージ
- 気管に管を入れる処置(気管内挿管)
- 人工呼吸器



それぞれ、受けたいかどうか、自分の気持ちを個別に書いておくと良いでしょう。
医療技術は日々進歩し、終末期医療も変化していくでしょう。
自分らしく死を受け入れるために情報収集しておき、自分にとって本当にやってほしくないものを整理しておきましょう。
孤独死
おひとりさまのリスクの一つに「孤独死」があります。
もしも部屋でひっそり突然死してしまったら…、と不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。
孤独死リスクを下げるためにも、普段から人付き合いをして、友人や近所の方との交流を深めておくことが大事です。
元気なうちは人間関係が煩わしくても、年を取って体力がなくなったり病気をすると、心細くなりがちです。
一人でできることには限界があります。
人との繋がりがあってこそ、支え合う関係が築けるのではないでしょうか。
「遠い親戚より近くの他人」ということわざにあるように、近くの他人はとても心強い味方になってくれます。



何かの時に力になってくれる可能性が高いのは、ご近所のネットワークでもあるので、普段からお付き合いを広げておきましょう。
見守り
年齢を問わず突然死の可能性はあり、事故や病気で倒れることもあります。
一人暮らしの場合、発見してもらえるまで時間が掛かることがあります。
また、いつの間にか判断能力が低下していたということもあり、自分で判断できにくいこともあります。



そんな悩みを解決してくれるものの1つが、「見守り」(安否確認)です。
何かあった時に発見が早いのは、見守りサービスが付いている高齢者賃貸住宅や介護付き有料老人ホームなどの施設ですが、自宅や一般の賃貸住宅でもできることはあります。
先ず、子供や友人・知人に定期的に連絡をしてもらったり、定期的に会う約束をするのです。
電話をしても出ない、会う約束をしていたのに来なかった、ということがあれば、何かあったのではないかと気付いてもらうことができます。
次に、自分の住んでいる自治体にも見守り制度があります。
自治体の見守りとしては、病気やケガをしたとき、又は緊急の相談等の緊急通報システム、配食サービスや乳酸飲料の配布、相談員が定期的に電話を掛けたり、訪問員が定期的に訪問するもの、更にテレビ電話を活用したものなどがあります。



将来、住み替えなどで引っ越しを考えている場合は、予め候補地の自治体の見守り制度を調べておくと良いでしょう。
民間企業の見守りとしては、自治体と同じような緊急通報ボタンや定期的に電話を掛けてきてくれるもの、部屋にカメラを設置して携帯やパソコンで画像を確認できるもの、無線通信機を内蔵したポット、東京ガスの利用状況を使うものなどがありますが、但し、住んでいる地域によって利用できないものもあります。
また、緊急通報装置とセンサーを使った安否確認の他に、健康・医療などの相談や生活支援のサポートを付けて多角的に行なっているところもあります。
その他、NPO法人などの団体でも見守りを行なっているところがあります。



民間企業やNPO法人などのサービスを利用する場合は、経営や運営の信頼性・安定性、価格は妥当かなど、しっかり比較検討することが大切です。
さらに、司法書士や行政書士などの専門家と見守り契約をするという方法もあります。
任意後見契約を結ぶ時に見守り契約も一緒に結び、定期的に訪問してくれるようにお願いしておくと、自分のことを理解してもらいやすいですし、判断力や理解力の低下を早めに発見してくれて、任意後見へと速やかに移ってもらいやすいというメリットがあります。
一方、専門家や任意後見契約を頼んだ人との見守り契約は、別途、報酬を支払うことになり、契約内容や料金について妥当なのかどうか自分で判断ができにくい場合もあります。
他の専門家にも相談したり比較検討して判断しましょう。



また、体が不自由になってきたら、介護保険のサービスを利用して、ヘルパーさんなどに定期的に訪問をしてもらうようにしておくと、孤独死の備えにもなります。
おひとりさまの葬儀
おひとりさまも、いつかは亡くなります。
先ずはお葬式をどうするか、考えてみましょう。
- 形式(規模)はどうするか?
- 宗教はどうするか?
- 場所はどこにするか?
- 予算の上限額はいくらにするか?
一般的なお葬式の他にも、色々なスタイルがあります。
地域の習慣やその家系の伝統など、縛られるものがなければ、自分の希望を叶えやすくなっています。



葬儀の形式は、規模(弔問客の人数)と儀式(通夜・葬儀・告別式など)で考えると分かりやすくなります。
- 直葬 … 火葬とも呼ばれ、通夜や告別式を行わず、火葬のみすること
- 家族葬 … 家族やごく親しい人のみで行う葬儀
- 一日葬 … 通夜を遺族だけで過ごし、会葬は翌日の葬式のみに来てもらう手法
- 自由葬 … 故人の希望や遺族の思いを自由な形式で行うもの(無宗教葬)
- 生前葬 … 本人が生きているうちに、自ら行う自分の葬儀(お別れ会)
老後について考える時に避けて通れないのがお葬式とその後のこと。
残された人が困らないように、できる限りの準備はしておきましょう。



どのような葬儀にするか?葬式の種類と違いを知り、自分なりのイメージ固めを。
おひとりさまの御墓
近年、少子高齢化や宗教意識の希薄化などにより、人々のお墓に対する考え方も変わってきました。
また、新しいスタイルのお墓が続々と登場し、選択肢の幅も大きく広がってきています。
- 墓地 … 公営墓地・民営墓地・寺院墓地
- 永代供養墓 … 墓地管理者がお墓の管理や供養をしてくれる
- 納骨堂 … 屋内施設に遺骨を納める
- 散骨 … 遺骨をパウダー状にして、海や山などに撒く
- 樹木葬 … 樹木を墓標にするか、樹木の周囲に埋葬する
- 手元供養 … 遺骨を小分けにして手元に置くか、装飾品などに加工する
おひとりさまの場合、お墓はどうすれば良いのでしょう。
方法としては、
- 自分の親のお墓に入る
- 配偶者の家のお墓に入る
- 自分のお墓を買う
- お墓に入らない方法を選ぶ
の大きく分けて4つの方法があります。
せっかくお墓を建てても、死後に管理料を納めてくれる誰かがいなければ、やがて無縁仏として合祀される形になります。
そのため、自分がどのようなエンディングを迎えたいのか考えた上で、生前のうちにお墓を用意したり永代供養を依頼したりと、死後の手続きを進めていきましょう。



旅立ち後に自分の希望を叶えるため、或いは、残された人たちに負担がないように、生前にお葬式やお墓、埋葬、供養についての契約(予約)をしておくのも一法です。
葬祭業者によっては、生前の契約を受け付けず、見積りだけのところもあります。
生前契約をした場合でも見積書だけの場合でも、エンディングノートに貼るなり、挟むなりして、書類を保存しておくと良いでしょう。
遺族が本人の希望を実現するための目安になります。
おひとりさまの死後
人が亡くなった後には、お葬式、埋葬、供養に関すること以外にも、色々なことが待ち受けています。
遺品の整理や処分、健康保険や年金などの届出、友人・知人などへの連絡、病院への支払い、住まいの処分や精算、保険の解約その他、挙げたら切りがありません。
家族や親族など身内がいない場合、これらを誰かに頼んでおかなければなりません。
その際に結ばれる契約を「死後事務委任契約」と言います。
死後事務委任契約とは、本人(委任者)がお願いする人(受任者)に対して、自分のお葬式や埋葬、行政機関への手続き、保険の解約、遺品の整理や処分などに関する死後の事務について代理権を与えるものです。



契約書を作成する場合は、公正証書にすると公文書になってより証明力が強くなります。
死後事務委任契約をすると、次のようなことを頼むことができます。
- 死亡届、お葬式、埋葬、供養などに関すること
- 親族や友人・知人などへの死亡連絡
- 行政官庁などへの各種届出(年金・公共料金・保険・クレジットカードなど)
- 医療費や税金などの生前に発生した未払金の支払い
- 賃貸物件の明け渡し、敷金・家賃・管理費などの清算
- 老人ホームなどの入居一時金や利用料などの清算
- 家財道具や生活用品などの遺品の整理や処分に関すること
おひとりさまが死後事務委任契約を行なった場合は、家族や友人、ケアマネージャー、管理人、民生委員など、自分と関わりのある人たちへ、万一の場合の連絡先を伝えておきましょう。
特に、身寄りがないおひとりさまの場合は、複数の人に話しておくと安心です。
老人ホームなどの施設に入っている場合は、施設の管理者にも伝えておきましょう。
ところで、ある公証役場では、死後事務委任契約だけを公正証書で作る件数より、任意後見契約や財産管理等の委任契約、遺言書などの「他の契約と一緒にセット」で作ることが多いようです。



特に、身寄りのないおひとりさまは、財産管理等の委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約、遺言書を備えとして考えておきましょう。
また、死後の後片付けを依頼する場合、全てを一括してお願いすることもできますが、遺品整理やお葬式、お墓、埋葬については専門業者や団体に予め相談や依頼(生前契約)をしておき、その他の身の回りのことや行政に関する手続きは、家族や親族、友人、知人、専門家、法人の誰かに依頼しておくということもできます。



誰かにやってもらわなければならない後片付けですが、実際に誰にやってもらえるのかを元気なうちに考え、予めお願いしておきましょう。
おひとりさまの相続
おひとりさまといっても、実は家族や親戚もいて、たまたまお付き合いがあまりないだけのおひとりさまもいるでしょうし、殆ど身寄りがないおひとりさまもいるでしょう。
通常の場合、おひとりさまの相続人は兄弟です。
その兄弟も亡くなっているとなると、その子供、つまり甥や姪が相続人となります。
身寄りのない、つまり相続人がいないおひとりさまが、遺言もなく亡くなった場合は、相続人の不存在として一定期間、相続人捜索公告がなされ、その間に相続人が現れなければ、不存在が確定します。
その後、三か月以内に特別縁故者の申立てがあれば、裁判所の判断で相続財産分与が行われます。
但し、特別縁故者として申立てをしても、認められるかどうかは、裁判所の判断に委ねられます。
特別縁故者の申立てもなく、申立てがあっても財産が残った場合には、遺産は国のものとなります。
裁判所が選んだ正式な管理人が、遺産の中から借金などを差し引いて、残った財産を国庫に納めることになります。
こうした事態を避けるためにも、自分に万一の時には、誰にいくらあげるとか、特定の団体などに寄付するなど、遺言書を残しておくことが大事です。



遺産の使い道を自分で決めておきたい場合や、遺産相続で周囲の人の手を煩わせたくない場合は、やはり「遺言書」を作成するのが最善です。
また、その遺言書の内容をしっかりと実行してくれる人(遺言執行者)も必要になります。
遺言書の存在を他の人に伝えておくことも忘れずに。
尚、遺言書を書くのは、自分で書くのが最も安上がりですが、書式の誤りや必要事項の記載漏れで無効になることも少なくありません。



手間と費用が掛かりますが、公証役場で「公正証書遺言」を作成するのが一番確実ではあります。
まとめ
生前に準備しておきたいことは、死後の後始末だけではありません。
現代人の最期の迎え方は、大きく変化しています。
先ず、「死のかたち」が変わりました。
死因のトップが「がん」となり、約8割の人が病院で死を迎えるようになりました。
病院での死は、慣れ親しんだ生活の場と切り離された空間で最期を迎えることであり、その人が望む最後の日々が過ごせない場合も少なくありません。
そのため、「せめて最後の時は自宅に戻りたい」と望む人も多いのですが、最近では、病院の中にも、大切な人と過ごせる環境を整えたり、本人や家族の希望を取り入れたケアを行う努力をするところも増えてきています。
自分自身が最後の時をどのように送りたいのか、考えておくことが必要です。
更には、それより少し前の段階、つまり、「体が不自由になった時」や、認知症などになり「判断能力が低下した時」への備えもしておきたいものです。
死後の準備をすることと、これから先の人生をどのように生きるかを、切り離して考えることはできません。
自分らしい人生を全うするということは、子供や配偶者の今後をどうするか、これからのお金の使い方をどうしていくか、生きている間と死後とをトータルに考えておくことなのです。



それでは、自分のエンディング(人生の最終ステージと死後)を準備するためには、何をどう考えて、どのように備えれば良いのでしょうか。生前準備を考える視点を見てみましょう。
- 老いじたくをする
もしも、判断能力が低下したり体が動かなくなったら、財産管理や生活上の事務を誰に託すかを考えておく必要があります。
体が不自由になった時に備えるには「財産管理契約」を結んでおくと良いでしょう。
判断能力が低下した時に備えるには「成年後見制度」の中の「任意後見制度」が活用できます。
- 終末期をどのように迎えるか
終末期を過ごす場として、病院、在宅、ホスピス、緩和ケア病棟、高齢者施設があります。
自分の条件や思いに合わせて、終末期を迎える場を考えましょう。



また、命に関わる病に罹った時、「告知を望むか」「延命措置をしてほしいか」など、自分の意思を確認しておきましょう。
- 自分らしい葬儀とは
仏式やキリスト教式などの宗教儀礼を行うか、自由葬や近親者だけの家族葬を望むのか…、先ず「葬儀の形態と規模」について、自分のイメージを明確にしましょう。
葬儀の費用をどのように準備しておくかも大きな問題です。



死後、第三者があなたの銀行口座からお金を引き出すことは、基本的にはできません。死亡の直後から、あなたの全財産は相続の対象になり、相続人の手に委ねられます。
次に、葬儀費用の予算と共に、式場や戒名のこと、遺影写真や死装束の希望、喪主や弔辞を頼みたい人など、具体的な内容について考えてみましょう。
自分らしい葬儀を行うために、葬祭業者などが扱っている「生前予約」のシステムを活用することもできます。
- 終のすみかをどうするか
終のすみかを考えることも大事です。
お墓を持っているなら、後を誰に託すのか、承継者がいない場合はどうするかを検討します。
新たに購入する場合は承継者がいるかどうかで様々な選択肢があります。
自分の条件と予算に合わせて選びましょう。
また、お墓には入らず、自然葬(散骨)にすることもできます。
- 誰にどの財産を残すか
財産の処理については、遺言書を書いておくのが最善の方法です。
公正証書遺言を作っておくとトラブルが少なく、残された人たちも助かります。
その際、財産目録を作っておくことと、誰が法定相続人になるのかを確認しておくことが必要です。
ひょっとすると、顔を合わせたこともない甥や姪が代襲相続人になっているかもしれません。



遺言書を作ることで、お世話になった人やボランティア団体などに財産を贈ることもできます。必ず、遺言執行者を指定しておきましょう。
現在、女性は人生90年、男性は人生80年というのが当たり前になってきました。
先行き不透明な時代にあって、将来に対し、不安を感じるのは当たり前のことだと思います。
不安を完全になくすことはできませんが、不安と上手に付き合って前に進んでいきたいものです。
以前とは違って、今は「国」に頼れない時代ですし、会社など「勤め先」も自分を守ってくれなくなりつつあります。
これまで頼ってきた親や配偶者などの「家族」も高齢になったり、認知症になったり、心が離れたりして、当てにできないという人も増えています。
「自分」でちゃんと舵取りせざるを得ないのが現状です。



今改めて、ひとりで立って前を見て歩いていくことが大切です。今シングルの人も、将来的にシングルになる人も、攻めの姿勢で一歩前進を目指しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

