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経営破綻回避!保険会社をチェックするポイント

悩める人

ホントに安全?それとも危険?

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安全健全な保険会社はどう見極める?

ヤマス

こんな疑問・悩みを解決します!

この記事を読むと分かること
  • 保険会社をチェックするポイント
  • 保険会社の安全性を知る為の指標
目次

保険会社のチェックポイント

生保が破綻すると、保険契約は生命保険契約者保護機構によって保護されますが、保護されるのは責任準備金の9割まで。

契約が新会社に移転される際には、予定利率の引き下げも行われます。

経営破綻や予定利率の引き下げで被害を受けないようにするには、とにかく経営が不安定な保険会社と契約しないこと。

実際に自分の目で、保険会社の健全性を様々な指標から確認しておくことが大切です。

ソルベンシー・マージン比率

生保会社は将来の保険金支払いに備えて責任準備金を積み立てていますが、大災害や疫病の流行などで予想以上の保険金支払いを余儀なくされることがあります。

ソルベンシー・マージン比率は、そうした通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払い余力」を有しているかどうかを判断する為の指標です。

  • ソルベンシー・マージン比率=支払余力/(1/2×通常の予測を超える危険に対応する額)

この比率は、200%以上なら安全とされ、これを下回ると行政指導の対象となります。

ヤマス

しかし、過去に破綻した生保でも、破綻の直前まで200%以上の生保が多かったのが実情。「これ以上なら安全」とは言い切れません。

現在の計算方法では、返済の優先順位の低い負債である「劣後ローン」などによって比率を嵩上げできるので、絶対視するのは危険です。

毎年の決算の際、保険会社はソルベンシー・マージン比率の公表が義務付けられているので、加入している保険会社や、これから加入しようと思う保険会社のソルベンシーマージン比率を調べましょう。

基礎利益

生保の本業における年度内の収益を示す指標です。

具体的には、経常利益からキャピタル損益(有価証券などの売却・評価損益)と臨時損益を差し引いて求めます。

基礎利益は生保が公表を拒んでいる3利源(死差益・費差益・利差益)の合計額にほぼ等しく、その生保が本業でどれだけ儲けているのか、知ることができます。

3利源
  • 死差益 … 予定していた死亡率より実際の死亡の発生率が低かった場合に出る利益
  • 費差益 … 予定していたコストより実際に掛かったコストが少なかった場合に出る利益
  • 利差益 … 予定していた運用利率より実際の運用利率が上回った場合に出る利益

実質純資産額

時価で計算した実質的な資産から、資本性のない実質的な負債を差し引いたもの。

時価評価後の実質的な自己資本額を示します。

ソルベンシー・マージン比率では資産として認められている「税効果相当額」や「劣後ローン」なども資産から除外されるため、生保の支払い余力を最も厳密に見ることができる指標として重要視されています。

数値がマイナスなら、その生保は実質的な債務超過ということになります。

尚、実質純資産額を総資産で割って100を掛ければ広義の「自己資本比率」が、責任準備金額で割って100を掛ければ「実質純資産比率」が求められます。

これらは、規模が異なる生保会社間の比較に有効です。

コンバインド・レシオ

損保会社の「収益力」を示す代表的な指標。

損害率と事業費率を合算して算出します。

損害率は「保険料収入に占める保険金支払い額の割合」を、事業費率は「保険料収入に占める経費の割合」を表します。

つまり、保険料収入に占める、保険金支払い額と経費の割合を示すわけです。

コンバインド・レシオ
  • コンバインド・レシオ=正味損害率+正味事業費率
  • 正味損害率 … 収入保険料に対する支払保険金の割合
  • 正味事業費率 … 収入保険料に対する会社の経費の割合

一見すると、大きい方が良いように錯覚してしまいそうですが、この数値は小さいほど収益力が高いことを意味します。

ヤマス

現在、日本の損保会社のコンバインド・レシオは90%台が一般的。これが100%を超えていたら、本業が赤字ということになるので要注意です。

格付け

企業の財務の健全性や債券の安全性などを第三者の格付け機関が判定し、「AAA」などの符号でランク付けして公表しているもの。

保険会社に対する格付けは「保険財務力」として示されます。

格付けが高い方が、将来保険金を支払ってもらえる可能性が高くなります。

ヤマス

但し、格付けが高ければ破綻しない、低ければ破綻するというものでもありません。単に確率が高いか低いかの目安にして下さい。

格付け機関としては、アメリカのS&Pやムーディーズ、日本ではR&I(格付投資情報センター)などが代表的。

S&Pの場合、最上位のAAAから最下位のCCまで20ランクに分けられ、BB以下は「不安定要因を有する可能性がある」とされます。

但し、機関ごとに格付けの見直しのタイミングや判断基準が異なります。

利用する際はできるだけ最新、且つ複数の機関の格付けを参照することが重要です。

また、刻々と変わっていくものですから、加入する時だけではなく、加入した後も定期的にチェックした方が良いでしょう。

まとめ

保険会社の安全性を知る為の指標は色々あります。

先ず、金融庁が生保の財務の健全性を判断する指標としているものとして「ソルベンシー・マージン比率」と「実質純資産額」があります。

ソルベンシー・マージン比率は、大規模な災害など通常の予測を超えるリスクに対する「支払い余力」を備えているかどうかを見る為の指標で、200%以上が健全とされます。

実質純資産額は、広義の自己資本を表し、もしこの数字がマイナスになっていれば「債務超過=実質的な破綻状態」ということになります。

生保の経営内容が分かりにくいという批判に応えて、2000年度の決算から公表されているのが「基礎利益」。

生保の本業での儲けを表します。

また、「逆ザヤ」がどれくらいあるかも生保の安全性を見る重要な手掛かりになります。

基礎利益や保有契約高の割に逆ザヤ額が多い生保には要注意です。

生命保険では、保険会社は契約者から集めた保険料を資産運用しています。
運用が上手くいけば、予定利率を上回る利益を上げることができますが、運用に失敗した場合、予定利率を下回ることになってしまいます。
この、実際の運用による利回りが予定利率を下回る状態を「逆ザヤ」と言います。
逆ザヤが生じた場合、保険契約者が直接損失額を負担する必要はなく、保険会社自身が負担することになります。
但し、当然ながら、保険契約者に対する配当金が支払われないこともあります。

損保の収益力を示す指標としては「コンバインド・レシオ」が代表的。

保険料収入に占める保険金支払い額の割合と経費などの割合を合計したもので、100%以下なら損保の本業が黒字ということなので、数値は小さい方が良いとされます。

また、S&Pなどの格付け機関による「格付け」も忘れてはいけない指標です。

ヤマス

今では、こうした指標を保険会社や格付け機関のホームページで簡単に見ることができます。保険を見直したり、新しく保険に入る際は、最新の数字を調べて健全性を確認し、よく納得した上で加入しましょう。

生命保険商品(共済)の種類は色々ありますが、それを扱う生命保険会社などの機関も様々です。

自分が死ぬ前に保険会社が先に破綻してしまったのでは笑い話にもなりません。

また、自由化の進展によって、生命保険会社の数は増え続けています。

その中から、経営の安全性が高いところを選びましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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