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生命保険の仕組みと基礎知識

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生命保険って難しい…

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生命保険の仕組みを知りたい…

ヤマス

こんな疑問・悩みを解決します!

この記事を読むと分かること
  • 生命保険とは
  • 生命保険の仕組み
  • 生命保険に入る目的
  • 生命保険の種類
  • 主契約と特約について
  • 生保と損保の違い
  • 保険と共済の違い
  • 保険の請求について
  • 生命保険の税金について
  • 生命保険の基本用語
目次

生命保険とは何か?

生命保険は、人の生死に対して保険金が支払われる保険です。

人生では、様々な場面で金銭が必要になってきます。

結婚、出産、就学、住居購入、退職後など、生きていれば必ずお金が必要になります。

また、死亡した場合にも、葬儀代やお墓代、遺族の生活費や子供の養育費など、やはりお金が必要になります。

生命保険は、このような人生における金銭の入用に備える保険です。

安定した人生設計の為に、生命保険が利用されているのです。

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生命保険の保障内容は、死亡保障生存保障医療保障の3つに分けることができます。

  • 死亡保障 … 亡くなった後の遺族の経済的リスク
  • 生存保障 … 長生きリスク
  • 医療保障 … 病気・ケガによる経済的リスク

言葉は悪いですが、損害を金銭に置き換えて保障するというのが、保険の本質なのです。

生命保険の仕組み

生命保険の仕組みを、簡単に説明しましょう。

先ず、保険会社がたくさんの人から保険料としてお金を集めます。

集められたお金の一部は保険会社が経費として使い、残りを有価証券に投資したりして運用します。

一方、保険の対象となっている人(被保険者)が亡くなったり、病気やケガで入院したりした時は、保険会社が預かった保険料から保険金や給付金を支払います。

但し「いざという時」が来なければ、支払った保険料の殆どは返って来ません。

しかし、その「いざという時」が来るのか来ないのかは、その時になってみなければ分からないのです。

一家の生活費を稼いでいた主が事故や病気で死んでしまったら、収入が途絶えて残された家族は路頭に迷ってしまいます。

保険がなければ「いざという時」に困るのは残された家族であり、病気やケガをした本人です。

自分を含めた家族全員が生活に困らないように、生命保険の保険料を支払うことで、いざという時に備えるシステムが生命保険なのです。

ヤマス

生命保険の仕組みとは、簡単に言うと、保険の契約者全員がお金を少しずつ出し合って、被保険者が死んだ場合、その遺族などにお金を支払うシステムです。

保険を掛けられている人が死亡した場合にもらえる保険を「死亡保険」と言い、これは生命保険のベースにもなっています。

死亡保険では、被保険者が保険会社と契約している期間内に死亡すると、死亡保険金がもらえるようになっています。

しかし、保険期間内に死亡しなかった場合は、それまで払っていた保険料は掛け捨てとなります。

それでは掛け捨てとなった保険料はどこへ行くのかと言うと、保険を掛けられている他の人が死亡した場合の死亡保険金になるのです。

簡単に言えば、宝くじの仕組みと同じで、1等に当選したい人は宝くじを買い、当たったら換金する…。

それと同じで、保険金が欲しい人は保険に加入して、死んだら保険金を受け取る…。

宝くじは必ず当たるわけではなく、当たった人は高額の配当金を手にし、当たらなかった人はくじを購入した分だけ損をすることになります。

生命保険という宝くじの胴元が保険会社で、掛け金(支払保険金)やオッズ(保障額)、くじの仕組み(保険契約の内容)を仕切っているわけです。

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生命保険は保険契約者による「相互扶助」の仕組みで成り立っているのです。

死亡保険に加入する時は、払う保険料が掛け捨てになるかもしれないという可能性を忘れてはいけません。

生命保険は、不意に死亡するかもしれないというリスクに備える為に、安心を買っているという認識を持ちましょう。

必ずしも得をするというものではないのです。

生命保険に入る目的

生命保険は、いったい何の為に入るのでしょうか。

例えば、

  • 両親は資産家で、
  • 十分な財産を持ち生活していて、
  • 子供はいなく、
  • 妻は働いていて、
  • 夫と同じぐらいの稼ぎがあり、
  • 今後も仕事を続ける予定。
  • 住むところは持ち家で、
  • 住宅ローンはありません。

もし、このような恵まれた人でしたら保険に入る必要はありません。

なぜなら、カバーするべきリスクが無いからです。

しかし、このような恵まれた人はあまりいないでしょう。

私たちは何らかのリスクを抱えて生きているのです。

そして、そのリスクをカバーする為に保険に入るのです。

その目的は人によって異なります。

  • 老後の生活資金
  • 万一の時の家族の生活費
  • 自身の葬儀代・墓代
  • 災害・事故に備える
  • 子供の教育費・結婚費用
  • 医療費や入院に備えて
  • 贈与を目的としての加入
  • 遺族による相続争いを防ぐ索として
  • 企業を存続させるため
  • 役員の退職金に利用するため

そもそも保険に入る目的は、簡単に言うと「誰に」対して、保険金を「いくら」あげるのかということです。

例えば、「妻に生活費の為にいくら」、「子供の教育費の為にいくら」といったような感じです。

この目的は、加入者によってそれぞれ異なることでしょう。

そして、目的が定まったならば、次はその「保障額」と「保障期間」を決めます。

目的がそれぞれ違うので、これも人によって違ってくるものです。

このように、人によって保険に入る目的は違うので、どのような保険が自分にとって最適なものか、加入する保険はしっかりと選ぶ必要があるでしょう。

生命保険の種類

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生命保険は難しい!と思っている方も多いようですが、基本的な構造は意外と簡単です。

主契約と特約の関係

生命保険には必ず「主契約」があり、それに「特約」が付加されるという構造になっています。

  • 主契約 … 保険の基礎となる契約(単独で加入できる)
  • 特約 … 主契約に付けるオプション部分(単独で加入できない)

車で言うと、車という主契約があって、それにオーディオやカーナビなどのオプション(特約)を付けるといったことに似ています。

従って、主契約だけに加入することはできますが、特約だけに加入することはできません。

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主契約と特約の基本的に異なる点は、単独で契約できるか否かにあります。

生命保険(主契約)の基本形

生命保険の商品には様々な種類があります。

そもそも、自分がどういった保険に加入していて、どういった内容なのかを理解している人は殆どいない、というのが現実だと思います。

その理由は、各保険会社が多種多様な保険商品を競って販売しており、しかも似たような商品を保険会社独自のネーミングで販売することで、他社との差別化を図ろうと努力しているからです。

さらに、基本的には似たような商品でありながら、各社ごとにアレンジしているので、数百種類とも言われる商品を作り出せているのです。

私たちのような保険の加入者にとっては、混乱の原因になるのだろうと思います。

ですが、いくらアレンジがされていると言ってもやはり、基本形がありますので、先ずはそれを覚えましょう。

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基本となる保険はたったの3つしかありません。それが「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」です。つまり、この3種類を基に保険商品は作られます。

  • 死亡保険
  • 生存保険
  • 生死混合保険

以上、生命保険の基本形は3つです。

この基本形は、保険の対象となっている被保険者が、どのような状態の時に保険金が支払われるか、ということを基準に分類されています。

また、病気やケガに掛かる費用を保障する保険も多く販売されています。

上記3つの基本形以外にも「医療保険」「ガン保険」「介護保険」などがあり、これらも生命保険の主契約の1つの形です。

死亡保険

死亡保険とは、被保険者が死亡した場合や高度障害になった場合に保険金が支払われる保険です。

一定の期間内に死亡した場合に保険金が支払われる「定期保険」と、何歳で死亡した場合でも必ず保険金が支払われる「終身保険」があります。

また、定期保険と終身保険を組み合わせた「定期付終身保険」も、死亡保険に分類することができます。

定期保険とは、一定の保険期間内に死亡した場合にのみ保険金が支払われる保険です。

少ない保険料で高額の保険金を受け取ることが可能ですが、満期時までに死亡しなかった場合、保険料は掛け捨てとなります。

満期保険金や解約返戻金はありません。

終身保険の特徴は、定期保険のように決められた期間だけではなく、保険期間を終身、つまり「亡くなるまで」としていることにあります。

契約から終身までが保険期間となるため、一度契約を結ぶと、それ以降は全てが保険期間となります。

契約者がそれから何年後に死亡したとしても、それは保険期間中の死亡という扱いになり、死亡保険金が支払われます。

そのため、保険料は定期保険に比べて高くなっています。

また、終身保険には解約返戻金があるため、保険を解約して老後の資金にすることも可能です。

死亡保険には、定期保険と終身保険を組み合わせた定期付終身保険もあります。

定期付終身保険とは、一生涯に亘る死亡保険に一定期間の定期保険を加えることで、その期間だけ死亡保障を厚くする保険です。

例えば、妻と0歳の子を持つ夫が、死後の遺族保障を目的に終身保険に加入するとします。

この場合、子供が成人するまでは、養育費や学費など出費が多く高額の保険金が必要ですが、成人してしまえば妻の生活費だけあれば良いので、高額保障は必要ありません。

そこで、500万円程度の終身保険に20年で満期になる2,500万円の定期保険を付けた定期付終身保険に加入し、子供が成人するまでの期間だけ遺族保障を厚くするのです。

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昭和から平成にかけて、生命保険会社の主力商品として販売されていました。

生存保険

生存保険は死亡保険の逆で、長生きした時の為に備える保険になります。

思った以上に長生きをしてしまった時、生活費などで苦しまないよう、その生活を保障してくれます。

純粋な生存保険は販売されていませんが、ある年齢まで生存すれば年金が受け取れる「個人年金保険」などは生存保険の一種として良いでしょう。

生死混合保険

生死混合保険は、死亡保険と生存保険がミックスされた保険です。

代表格は「養老保険」で、保険期間内に被保険者が死亡すると死亡保険金が、満期まで生きていれば満期保険金がもらえます。

死亡保障と貯蓄性を兼ね備えているため、遺族への保障と老後資金対策を一度に行うことができます。

契約者・被保険者・受取人の違い

契約者(保険契約者)とは、生命保険を契約した人のことです。

契約上の一切の権利(契約内容の変更や解約など)と義務(保険料の支払いなど)を持っています。

また、被保険者とは、保険を掛けられている人を指します。

その人の病気やケガ、死亡事故などが、保険金や給付金支払いの対象になります。

そして、保険金受取人(受取人)とは、保険契約者から保険金を受け取ることを指定された人になります。

死亡保険では被保険者とは別人になりますが、満期のある保険では保険金受取人が被保険者と同一の契約もあります。

  • 契約者 … 保険料を支払う人
  • 被保険者 … 保険の対象となる人
  • 受取人 … 保険金を受け取る人

このように、三者については同一人物の場合もあれば、全て違う場合もあります。

保険料と保険金の違い

生命保険料(保険料)とは、契約者が保険に加入して、生命保険会社に毎月支払うお金のことです。

基本は毎月の支払いですが、1年に1回支払う年払いや、ボーナス時期に合わせた半年払いなどが可能なものもあります。

また、保険料を一度で全額払うことを一時払いと言います。

これに対して、生命保険金(保険金)とは、被保険者が契約期間内に死亡又は高度障害になった場合に、生命保険会社から支払われるお金のことです。

紛らわしいですが、支払う方向が違うので注意して下さい。

生命保険料の構成

生命保険会社は、多くの保険契約者から保険料を集め、それを預かることで運営しています。

その一部は保険会社の経費や人件費などとして使われますが、それ以外は将来の保険金支払いの為に積み立てられ、運用に回されます。

その生命保険の保険料は、「予定利率」「予定死亡率」「予定事業費率」の3つの数値を基に計算されます。

  • 予定死亡率 … 年間の死亡者数から算定した予想死亡率
  • 予定利率 … 資産運用によって生じる予想利益率
  • 予定事業費率 … 経営に必要な費用の保険料に対する割合

先ず、予定死亡率と予定利率を基に「純保険料」が計算されます。

それに、予定事業費率を基に計算した「付加保険料」が上乗せされて、生命保険料が決定します。

予定死亡率とは、生命表に基づいて死亡者数を予測したものです。

生命表は死亡表とも言われるもので、1年でどのくらい人が生存し死亡するかを統計的に示してします。

一方の予定利率とは、資産運用による見込み利回りのことです。

保険会社では、将来の保険金の支払いなどに備えて保険料を積み立て、資産を運用しています。

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保険会社は企業にお金を貸し付けたり、有価証券に投資するなどして運用しています。

そこで、運用による利益分を予め差し引いて保険料を設定しているのです。

尚、生命保険の付加保険料は、事業経営に必要な経費を予め見積もった予定事業費率によって算定されています。

その主なものとして、保険会社社員の給料、保険を実際に販売する営業職員への報酬、テレビや新聞などを使った広告宣伝費など、諸々の費用が含まれます。

生命保険料の構成
  1. 純保険料 … 予定利率・予定死亡率を基に計算された数値
  2. 付加保険料 … 予定事業費率を基に計算された数値
  3. ①+② … 生命保険の保険料

保険会社の利益

生命保険の収益の構造は「死差益」「費差益」「利差益」の三利源から説明されています。

死差益は予定死亡率より引き受けた保険契約の死亡率が低い場合に発生します。

費差益は保険営業に関して、予定した事業費より実際の新契約費、維持費、集金費などのコストが低い場合に発生します。

利差益は予定利率より実際の運用利率が高い場合に利率の差による収益が発生します。

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保険業の収益構造は、保険営業による保険収益と資産運用による運用収益から構成され、運用収益が大きなウエイトを占めている点に特徴があります。

しかし、実際の運用利率が予定利率より低い場合には利差損が発生します。

利差損は「逆ザヤ」と呼ばれています。

逆ザヤが生じた場合、保険契約者が直接損失額を負担する必要はなく、保険会社自身が負担することになります。

但し、当然ながら、保険契約者に対する配当金が支払われないこともあります。

保険会社の利益
  • 死差益 … 予定より実際の死亡率が少ない場合の利益
  • 費差益 … 予定より経費が掛からなかった場合の利益
  • 利差益 … 予定より資産運用が上手くいった場合の利益

生命保険と損害保険の違い

商法では、保険を「生命保険」と「損害保険」に分類しています。

生命保険は、人の生死に際して保険金が支払われる保険です。

損害の有無や損害額に関係なく一定の金額が支払われます。

そのため、原因は病気・事故・災害などでも、死亡すると死亡保険金を受け取ることができます。

入院の場合も同じで、入院の原因が病気であってもケガであっても、入院給付金や手術給付金を受け取ることができます。

損害保険は、偶然の事故によって生じた損害を補う為の保険です。

損害を填補することで、経済的に事故前と同じ状態にすることを目的としています。

そのため、一定額の保険金が支払われる生命保険とは異なり、損害保険では損害額によって保険金の支払金額が変わります。

従って、事故が発生しても、損害がなければ保険金は支払われませんし、損害額を上回る保険金は支払われません。

損害保険は、事故や災害が原因で亡くなった場合のみを保障しているので、病気で死亡した場合には保険の適用外です。

入院の場合も、原則として事故や災害に因るもののみが保険金の支払い対象になります。

但し、病気や事故で亡くなる確率よりも、事故のみで亡くなる確率の方が一般的に低いため、同じ保険金額の場合、損害保険の方が保険料は低く設定されています。

  • 生命保険 … 人の生死、或いは病気やケガによる入院などを保障
  • 損害保険 … 事故や災害などによる人の生死や、ケガによる入院などを保障

では、なぜ生命保険と損害保険を分類しなければならないのでしょうか。

保険業を営むには免許が必要です。

しかも、生命保険業と損害保険業は同一の者が免許を受けることはできません。

生命保険業と損害保険業の兼営は禁止されているので、両者の線引きが必要となるのです。

ただ、損害保険でも生命保険会社が取り扱っている医療保険と似たような商品もあり、段々と両者の差はなくなってきています。

第3分野の保険

保険商品の中には「生命保険」と「損害保険」のどちらにも属さない種類の保険があります。

これらの保険は、生命保険を第1分野、損害保険を第2分野と呼ぶことから、第3分野の保険と呼ばれています。

第3分野の保険は、現在では、生命保険会社と損害保険会社の両方で取り扱われています。

第3分野の保険とは、病気・ケガ・介護についての保障を行う保険です。

日常生活における突然の事故でケガをした場合などの保障を行う傷害保険や、病気で入院した場合などの保障を行う疾病保険、高齢になり介護が必要になった場合に備える介護保険などが、第3分野の保険として分類されています。

また、ガン保険や三大疾病保険などの特定の病気を対象とする保険も、第3分野の保険として分類されています。

  • 第1分野 … 生命保険
  • 第2分野 … 損害保険
  • 第3分野 … 医療保険(ガン保険・介護保険・傷害保険など)

これは2001年7月1日に第3分野の保険が全面解禁(完全自由化)されたためです。
これまで日米保険協議を受けて取り扱いを自粛していた大手国内生保・損保系生保、損保が、自由化によって医療保険・ガン保険を一斉に発売。
既にこれらの保険を販売していた外資系生保・中堅生保も対抗するように新商品を開発したことで、実にたくさんの医療保険・ガン保険が出回るようになったのです。

保険と共済の違い

死亡保障や医療保障を提供しているのは何も生命保険ばかりではありません。

共済という仕組みをご存知でしょうか。

共済は、一定の団体内における構成員同士の相互扶助(助け合い)制度です。

構成員は一定の金銭(掛け金)を支払い、災害などが生じた場合には一定額の給付を受けます。

つまり、共済は、機能の上では保険と殆ど同じ制度と言えますが、制度上、いくつか相違点があります。

  • 保険は誰でも加入できますが、共済は加入者を特定の職場・地域などに限定しています
  • 保険では、保険業法によって生命保険と損害保険の兼業が禁止されていますが、共済では一つの共済団体が生命保険・損害保険両分野の業務を取り扱うことができます
  • 我が国では保険業法によって、保険事業が可能な企業形態を株式会社と相互会社に限定しています。そのため、共済事業では「保険」という名称を使用できません
ヤマス

基本的に保険と同じ分野ではありますが、共済事業の場合、営利を目的としていません。

共済というと、安いというイメージがあります。

これは正しい面もありますし、間違っている面もあります。

共済が安いと言われる理由は、

  • 保障される金額が低いこと
  • 一定の年齢までに限られること

もその一因です。

保障額が小さいので独身ならいざ知らず、働き盛りの会社員は物足りないことも。

他の商品との組み合わせを考えてみましょう。

一口に共済と言っても、その種類は数多く存在します。

代表的な共済は、都道府県別に運営している共済です。

東京都なら都民共済、大阪府なら府民共済、埼玉県なら県民共済と言います。

その他、CO・OP共済、全労済、JA共済などが有名です。

保険契約に関する期間と保険事故

保険契約に関する期間には、保険契約期間保険期間保険料期間の三つがあります。

保険契約期間

保険契約期間は、保険契約の契約成立時から契約終了時までの期間のことです。

通常は、保険会社と保険契約者の合意により契約が成立した時点から始まり、契約時に設定した期間が満了した時点で終了します。

但し、契約期間中に保険事故が発生し保険金が全額支払われたり、告知義務違反を理由とする解除などがあると、保険契約期間内でも契約は終了します。

保険期間

保険期間とは、保険事故が発生した場合に保険会社が保険金を支払わなければならない期間のことです。

責任期間とも言います。

通常は保険契約期間と保険期間は一致しますが、保険期間は保険料の支払いがあった時から始まるため、一致しないこともあります。

保険料期間

保険料期間とは、保険会社が保険料を算定する際に基礎とする一定期間のことで、通常1年を一つの単位としています。

この単位期間内にどのくらい保険事故が起きているか統計を取り、これから保険契約を結ぶ契約者の保険料を算定します。

保険事故の発生率は保険料期間を1単位として測定されるため、この単位期間を更に細分化することはできません。

そのため、保険料を更に細分化することも不可能です。

保険事故

保険事故は、保険会社から保険金を受け取るに当たる事故・事態などを指します。

ヤマス

例えば、死亡・病気・ケガ・入院・生存…。偶然の事故や突然の病気以外にも、死亡や生存なども保険事故に含まれます。

つまり、その事故が発生した場合、保険会社は保険金の支払いをしなければなりません。

告知・告知義務違反

保険契約者には「告知義務」が課せられています。

告知義務とは、保険に加入する際、保険会社に対して虚偽の報告をすることなく、保険契約の締結に必要な重要事項を知らせる義務のことです。

法律上、損害保険では保険契約者が、生命保険では保険契約者だけでなく保険を掛けられる人(被保険者)も告知義務を負っています。

告知義務は、保険会社が健全な運営を行う為に必要です。

保険会社は運営上、保険事故の発生率が低い契約を選ぶ必要があります。

そのため、契約選択の判断基準として告知義務があるのです。

告知は、告知書と呼ばれる質問表によって行われます。

なぜなら、殆どの保険契約者は専門的な知識や能力を持たないため、何を告知すれば良いのか判断が困難です。

また、契約者ごとに異なる告知書を書いてもらうよりも、保険会社が質問表を作成し、それに沿って保険契約者が答えるという形式の方が合理的だからです。

しかし、もし過去に持病を患っていた場合や入院歴があった場合、保険料が上がったり、加入を拒否されてしまうかもしれないと思うと、嘘でも良いからごまかしたいと思うこともあるでしょう。

ヤマス

しかし、この告知書に事実と違うことを記入すると、それが嘘だと発覚した場合に保険会社は「告知義務違反」として契約を一方的に解除することができます。

また、それが行われるのは、生命保険の責任開始日から2年以内で、且つ保険会社が違反の事実を知ってから1年以内となっています。

この告知義務違反によって契約が解除された場合は、たとえ保険事故が起きて、保険金を受け取れることになっていても支払われません。

2年を過ぎた場合でも告知義務違反ではありませんが、事実が発覚すれば支払われないことがあるので、正直に話しておくことが大切です。

保険法改正 / 2010年4月
  • 自発的申告義務から質問応答義務へ変更され、保険契約者は、重要事項のうち保険会社から告知を求められた事項のみ告知すれば良いこととなりました
  • 保険募集人による告知の妨害や不告知の教唆があった場合は、保険会社は解除できないとする規定が新設されました
ヤマス

こちらから具体的に「何年前にどういう病気をして…」と言わなくても、向こうから聞いてこない場合は、こちらに不利なことは敢えて言わなくても良いことになりました。

  • 告知義務 … 保険契約の締結に必要な重要事項を知らせる義務(現在の健康状態・過去の病歴など)
  • 告知義務違反 … 告知を行う時に「事実と異なること」を記入すること

尚、生命保険の外務員は、保険の勧誘権限しか持っていない場合が殆どです。

そのため、外務員に重要な事実を伝えても、告知したことにはなりません。

保険会社の安全性

生命保険は、20年、30年、或いは一生涯など基本的に長期間の保障を得るものなので、肝心の保険会社が保障期間中に倒産してしまう…ということがないように、きちんと安全性を確かめておいた方が良いでしょう。

ソルベンシー・マージン比率

保険会社の経営状態を測る一つの判断材料として、ソルベンシー・マージン比率というものがあります。

ヤマス

ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社の体力測定基準です。400~500%は一応合格、200%が合格最低ラインで、これを下回ると改善措置が命じられます。

これは「支払い余力」とも呼ばれ、将来の保険金支払いに対する余力を表したものです。

具体的なソルベンシー・マージン比率は、500%や1000%などの数値で、全社の数値が公表されています。

当然、この比率の数字が大きいほど、支払い余力があると言えます。

但し、この比率は開業して間もない会社の場合は数字が大きくなりがちという傾向があります。

そのため、一つの参考数値にはなりますが、それだけで保険会社の安全が測れるものではありません。

しかし、この比率が200%を下回った会社が保険事業を運営していくのは、かなり困難だということも事実です。

現実には、この数値が低くなると金融庁から経営状態について厳しい指導を受けることになり、一般的にも経営状態の悪い保険会社として認知されます。

  • ソルベンシー・マージン比率 … 大災害や株の暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに生命保険会社の支払い力が対応できるかどうかを測る指針

毎年の決算の際、保険会社はソルベンシー・マージン比率の公表が義務付けられているので、加入している保険会社や、これから加入しようと思う保険会社のソルベンシー・マージン比率を調べましょう。

ヤマス

ソルベンシー・マージン比率は一つの目安に過ぎません。過度な信頼はしないこと。

生命保険会社の格付け

会社の財務の健全性を見る1つの指標が「格付け」です。

格付けとは、保険会社の経営状態を判断する大事な基準で、「AAA」や「B」などのように、アルファベットで表記されるものです。

保険会社に対する格付けは「保険財務力」として示されます。

格付けを発表しているのは、ムーディーズ・ジャパンやスタンダード&プアーズ、格付投資情報センターなどの格付け機関です。

保険会社に限らず、様々な企業の格付けを行なっています。

格付けの見方はちょっと複雑ですが、例えば「A」よりも「AA」とアルファベットが並べてある方が格付けは高く、同じアルファベットでも「+」が付いているものは「-」が付いているものよりもランクが上になります。

  • AAA … 安全性高い
  • AA
  • A
  • BBB
  • BB
  • B
  • CCC
  • CC … 安全性低い

例えば、スタンダード&プアーズの場合は、最高ランクである「AAA」から「BBB」までを比較的安定している上位クラスと認定しており、「BB」から「CC」までは不安定で危険を伴う下位クラスとしています。

  • Aの方がランクが上、Cの方が下
  • 同じアルファベットの場合、AAの方が上でAの方が下
  • 同じランクでも「+」が付いていると上、「-」は下

もし、保険の見直しをする際や新規に加入しようと思っている場合には、できれば「BBB」以上、可能なら「A」以上の保険会社を選ぶ方が良いとされています。

特に生命保険会社は数も多く、その違いも分かりにくいので、こういった指標が会社を選ぶ基準の一つになります。

ヤマス

シンプルで分かりやすい指標なので、先ずは格付けから確認するのが良いでしょう。

但し、格付けが高ければ破綻しない、低ければ破綻するというものでもありません。

単に確率が高いか低いかの目安にして下さい。

また、刻々と変わっていくものですから、加入する時だけではなく、加入した後も定期的にチェックした方が良いでしょう。

保険金の請求

生命保険金は、保険事故が発生して、死亡届を役所に提出したとしても、こちらから請求しないと支払われることはありません。

そのため、保険事故が起きた場合、その保険金の受取人が請求の手続きをする必要があります。

受取人が複数いる場合は、そのうちの1人が代表して手続きをします。

受取人が未成年で自分での手続きが困難な場合は、その親権者が手続きをします。

保険に加入していることを受取人に伝える前に保険事故が起こると、受取人はそれを知ることがないので、請求もできません。

契約者は保険に加入する際、その旨を事前に伝えておきましょう。

ヤマス

遺族も、故人が保険に加入していたかどうか、保険証券の有無や保険会社からの郵便物などで確認して下さい。

死亡保険金の請求に関しては、亡くなった人の死亡診断書、住民票(除票)、受取人の戸籍謄本、印鑑証明などが必要です。

また、医療保険に加入していて、死亡の前に入院などをしていた場合は、その給付金も請求することができます。

保険金請求の流れ
  1. 保険金の受取人が保険の請求をする
  2. 保険会社による審査
  3. 保険金の支払い

保険金の請求は、保険事故が起きてから3年までと期限が決まっています。

時効になると保険金が支払われないこともあります。

死亡保険金の税金

生命保険では、保険金に税金が掛かる場合があります。

どのような税金が掛かるかは、保険金の受取人によって変わります。

先ずは、保険料を支払う人を契約者、保険の対象になっている人を被保険者、保険金を受け取る人を受取人として、課せられる税金の種類を整理していきましょう。

先ず、夫が契約者であり被保険者となっていて、その受取人が妻や子供であれば、課せられる税金は「相続税」になります。

夫が死亡したことで、その妻や子供に支払われる「財産の一部」として判断されるのです。

続いて、契約者と受取人が同一人物の場合。

例えば、夫が契約者であり保険金の受取人でもあり、妻や子供が被保険者となっていると言うとき。

その保険金による収益には「所得税」と「住民税」が課せられます。

但し、この場合に課税対象となるのは、あくまでも利益の分だけです。

受け取った保険金の額から納めた保険料を差し引いた金額が課税対象となります。

一方、契約者と被保険者、受取人がそれぞれバラバラの場合。

例えば、契約者が夫、被保険者が妻、受取人が子供などになっている時は、この保険金には「贈与税」が課せられることになります。

スクロールできます
保険契約者被保険者保険金受取人税金の種類
相続税
所得税・住民税
子供贈与税

こう説明してきても、その分類の基準がよく分からないかもしれません。

ヤマス

理解するには、保険料と保険金によって起こる「財産の移動」について考えると分かりやすくなります。つまり、保険料は誰が払ったもので、それが保険金になった後、誰の手元に届けられるのかと考えるのです。

例えば、相続税の場合、保険金を受け取る段階では保険料を払っていた人は亡くなっています。

つまり、故人からその子供や妻へと財産が移ったことになるため、保険金は相続財産と同じ扱いになるのです。

次に所得税と住民税が課せられる場合。

このケースでは財産は実質的に移動していません。

納めていた保険料が保険金に姿を変えただけ。

それによって増額していれば、その差額分にのみ課税されます。

尚、この保険金による所得は「一時所得」扱いです。

最後の贈与税は、ある人物が支払っていた保険料が、保険金に姿を変えて他の人物のもとに移るという形。

どちらも存命なので、生きている人同士の間で財産が移動していることになるため、贈与税になります。

ヤマス

損害保険の場合、保険金に税金は掛かりません。損害保険の保険金は損害額の穴埋めであり、損害が発生する前の経済状態へ戻すことを目的としているからです。

まとめ

国民の約8割が入っている生命保険。

それは安心して生活を支える為に大切な仕組みです。

しかし、自分が契約している保険を正確に説明できる人がどれぐらい居るでしょうか。

とても身近なものなのに、意外と知らない生命保険。

これは皆さんに原因があるわけではなく、保険会社側にも多分に責任があります。

商品や仕組みが余りにも複雑になってしまっているのがその原因だと思っています。

さらに、生命保険の内容を理解することが難しいというのも原因の一つでしょう。

本来生命保険というのは、不慮の事故など、いざという時にお金が支払われる極めてシンプルな仕組みである筈でした。

自動車保険を買うのに、人に相談するということは特にないと思います。

それは商品が比較的シンプルだからです。

生命保険もそうあるべきですが、いつの間にか現在のように複雑になっていることを、私はとても残念に思っています。

現在の日本の経済環境を考えますと、保険商品はなくてはならないものです。

特に、一家の大黒柱が働き盛りの時に死んでしまっては、残された家族がこれからの生活に不安を感じてしまいます。

ですから、そういった不安を解消する為には、貴方と、貴方の大切な家族の為に最適な保険に加入するのがベストです。

保険に加入する際には、家族構成や、将来の生活設計を考えて加入することが大切です。

特に、次のようなポイントは保険に加入する際、忘れずにチェックして下さい。

  • 目的に合った保険か?
  • 必要な金額は保険でカバーされているか?
  • 保障が必要な期間は保険でカバーされているか?
  • 保険料は払い切れるか?
ヤマス

生命保険を選ぶコツは、自分の理解できないものは買わない、家族にちゃんと説明できるものを買う、ということに尽きるような気がします。

保険は住宅の次に高い買い物だと言われているのです。

マンションや家を買う際は、恐らく何十件と物件を見て、自分で一生懸命調べ、人に評判を聞いて選ぶと思います。

それなのに、どうして生命保険だけは、情報も集めず、勧められるがままに加入してしまうのでしょう。

生命保険もそのように慎重に選ぶべきではないでしょうか。

これからの時代、知識こそが力です。

ですから、保険に加入する時には、最低でも保険に関する本を何冊か読んで、自分に不利にならない保険に加入するのが一番です。

貴方が保険とは何かを知らないことで、知っている人(保険会社)に騙されることを避ける為に、知識で身を守り、人生を楽しく生きていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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