悩める人事業承継が必要な人の相続対策…?



事業承継をスムーズにするための方法…?



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- 会社や事業に悩む人の上手な相続方策
- 事業承継をスムーズにするための方法
個人事業の相続対策
個人事業の相続対策は、後継者がいるかどうかで異なってきます。
後継者のいない個人商店や個人事業は、体力・気力の続かなくなった時点で、なるべく早い機会に整理をしておきましょう。
事業を整理すれば、後は財産をどうするかに絞れます。
不動産であればその活用方法を考え、有効な相続対策を打つことになります。



ただ、後継者のいる個人商店や個人事業も、なるべく早い機会に整理すべきです。この場合は「発展的な整理」を狙います。つまり、事業を「法人化」するのです。
個人事業を個人として引き継ぐことは、益々難しくなってきています。
例えば、👇
- 銀行の貸し渋り … 父親には融資したけれども、後継者である子には融資を断るということは、十分あり得ます
- 許認可や契約の問題 … 個人として行政の許認可を受けている場合、そのまま子が許認可を引き継げるとは限りません



従って、後継者が存在し、事業を発展させようとするなら、持分会社もしくは株式会社へ事業を発展させておいた方が良いでしょう。
この場合、注意すべきことは、資産をどこまで法人に移転すべきかです。
営業に関係するものは当然法人に移転すべきですが、その他については、その後の相続の行方を見据えながら、移転して下さい。
個人事業の相続と遺言書
「個人事業は整理すべし」とは言うものの、現実にはそんな簡単にできるものではありません。
個人事業のまま相続することは、これからもたくさんあり得るでしょう。



この場合のポイントは、「誰に」「どう相続させるか」という、被相続人本人の意思を明確にしておくこと、つまり「遺言書」の存在です。
特定の子に事業を相続させる場合、事業用の動産・不動産は、その子に相続させるべきでしょう。
しかしそうすると、他の兄弟姉妹に対し、不公平が生じてしまいます。
遺言書のない相続は「トラブルの原因」になりかねません。
遺言書により「意思を明確」にしておくこと、これが何よりも大切です。



兄弟同士の公平さを保つには、👇で述べた「代償分割」の活用も、効果的な方法です。
尚、相続税の節税には、「小規模宅地等の特例」を上手に使いましょう。
後継者がいない場合でも、小規模宅地等の特例は適用できます。
事業用地を相続した相続人が、相続税の申告期限まで事業を継続した場合に限り、80%の減額が適用されます。



事業を継続する意思はないが、80%減額の適用を受けたいと考えている人は、取り敢えず「申告期限まで事業を継続」し、申告期限後に、事業を廃業すれば良いことになります。
個人の資産と会社の資産の分離を図る
日本のオーナー企業の特色は、個人資産を会社に投入し過ぎていることです。
しかも、個人資産と会社の資産とが、複雑にややこしく絡み合っていることはよく見受けられます。
後継者がいない場合はもちろん、後継者がいる場合でも、個人と会社資産の分離を図っておかないと、相続人間の財産の分割、納税資金の捻出が困難になるなどの問題が生じてきます。



どのような会社の相続であれ、相続発生前に可能な限り、個人の資産と会社の資産の分離を図っておくことが必要です。
後継者への株式の移転
後継者が既に決まっている場合には、早めに株式の移転を行いましょう。
移転の目的は、後継者の支配権を安定させるためです。
もちろん、遺言書で相続させることも可能ですが、従業員、得意先、親族などに後継者が誰であるかの同意を形成させておき、生前のうちから、後継者が一定の株式を持っておくことは有意義なことです。
株式移転には、「相続税の節税」という目的もあります。
株式を生前に移転しておけば、その分だけ相続財産が減少し、相続税の節税に役立つのです。
株式の移転方法は、贈与か売買かのいずれかです。
そのためには先ず、現在の株式の評価額を算出しなければなりません。
株式の評価額は、会社の規模、売上高、資産内容、利益、配当などによって決定されます。



具体的な評価額、或いは株価を下げる方法については、税理士などの専門家に相談しましょう。
株式の移転が急ぐものでない場合は、贈与税の負担が重過ぎない範囲で、毎年少しずつ贈与していけば良いわけです。
逆に、株式の移転を急がなければならない事情がある場合には、ある程度のコストを負担してでも、株式の移転を行いましょう。
贈与による移転の場合には「贈与税」、売買による移転の場合には「所得税・住民税」と「復興特別所得税」が掛かります。
納税資金の確保と円満な分割
後継者への株式移転がある程度済んでいるとしても、納税資金の確保は大変です。
予想される相続税を試算して、個人の資金から払えるかチェックし、払えない場合にはその対策も考えておかなければなりません。



会社の資金で支払うことも方法の一つです、個人資産を会社が買い取るという方法も考えられます。もちろんこれらの方法は、会社に資金があることが前提です。
従って、会社が受取人で、被保険者がオーナーの終身保険に加入するなどの事前対策が必要になってきます。
会社の相続で必ず問題になることは、相続人間の遺産分割が公平に実施できないことです。
どうしても後継者に与える財産が偏ってしまいます。
従って、公平性を保つには代償分割も考えられますが、何よりも被相続人の意思を「遺言書」の形で残しておくことが肝心です。
会社のリストラ・M&A
一般的に「会社の寿命は30年」と言われています。
後継者がいない場合には、いっそのこと「企業のリストラ」をするのも一つの手です。
営業譲渡等の方法で事業を縮小し、会社を不動産だけを持つ「資産管理会社」にしてしまう方法があります。
こうすれば、不動産収入が会社の収入になりますから、会社の経営に手を煩わされることはありません。
会社の不動産を売却するとき、売却価格がそれほど大きくない場合には、役員退職金を支払い、会社を清算することも考えられます。



但し、不動産の売却価格が高額になる場合には、法人税も高額になるので、土地の売却ではなく、株式の売却(M&A)にしてしまうのも有効な方法でしょう。
法人で売却した場合には、約50%の法人税等の負担があります。
さらに、その資金を法人から個人に還元すれば「所得税」が掛かります。
株式の売却であれば、売却益に対し30~35%の税率で済みますし、直接個人の収入となるのもメリットです。
もちろん、このM&Aは、不動産だけでなく、技術力や営業力に着目する場合もあります。
一般に「営業権」と呼ばれる、企業の「超過収益力」を評価したものが、株式売買価格算定の根拠となります。
営業権は別称「のれん代」とも言われ、これはオーナー社長が元気であってこそ高い評価となります。
ハッピーリタイアメントも立派な相続対策なのです。
まとめ
会社(中小企業)のオーナーが亡くなった場合、大きな問題になるのは「自社株式の問題」と、「納税資金不足」でしょう。
企業の経営を安定させるためには自社株式はなるべく後継者に集中して渡したい財産ですが、相続人が複数いれば分ける必要が出てきます。
たとえ「後継者に自社株式を全て相続させる」という遺言書を残しても、遺留分を侵害している内容だと、株式の一部を後継者以外の相続人に渡さなければならないこともあります。
そのため、生命保険金を原資にして代償金を支払う(代償分割)などの対策をとることが必要になります。
しかし、元々の自社株式の評価額が高額だと、代償金を用意するには限界があります。
ですから、先ずは「株価を引き下げる工夫」が必要です。



具体的には、役員退職金を支給したり、含み損のある資産を売却するなどの方法があります。他にも色々あるので、税理士と相談して、実行しましょう。
その上で、後継者の相続税の負担を軽くするために、贈与税の負担が重くならない程度で「暦年課税による生前贈与」を行います。
その後、株価を引き下げたところで、「相続時精算課税による贈与」を行えば、低い株価でまとまった株式を贈与できます。
また、相続時に相続財産に加算する贈与財産の評価額は、「贈与時の時価」です。
そのため、後継者の経営努力により、相続時に自社株の評価が上がっていれば、その差額分を節税できたことになります。
株価を引き下げてもある程度の相続税が発生する場合、問題は「納税資金」です。
自社株式は簡単に売却できません。



こういった場合に相続税の納税対策として有効な制度があります。「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例(事業承継税制)」です。
一定の要件を満たせば、その株式に掛かる「相続税の80%」又は「贈与税の100%」に対して、税金の支払いの猶予と免除を認めたものです。
「猶予」とありますが、この制度は何回でも使えます。
そのため、親から子、子から孫、孫から曾孫…と、同族内で事業を引き継いでいく意思があるなら、永遠にこの制度を利用し続けて、納税を先延ばしにすることも法律上は可能です。



事業承継税制は中小企業にとって有り難い制度ですが、スタート当初は要件が厳しく、なかなか浸透しませんでした。しかし、制度が改正され、以前より利用しやすくなっています。
この制度で相続税の猶予の適用を受ける場合には、相続開始日の翌日から8か月以内に所定の申請書を主たる事務所を管轄する都道府県庁へ提出します。
尚、事業承継の場合、税務対策だけでなく、後々のトラブルを防止するための「争族」対策も重要になります。
- 事業承継をスムーズにするための方法 -
- 株価を引き下げる … 自社株式を後継者へ渡しやすくするため、先ずは株価そのものを引き下げることが重要。税理士と相談しながら「無理のない範囲」で行う
- 贈与を活用する … 暦年課税による贈与でコツコツ贈与を重ねつつ、株価が下がったところで、相続時精算課税による贈与で一気に贈与する方法も
- 贈与税・相続税の納税猶予を利用する … 事業承継税制を利用して、贈与税や相続税を猶予・免除してもらう
- 遺留分対策をしておく … 事業の後継者以外に相続人がいる場合は、遺留分に配慮しながら「遺言」を作成する。その上で、生命保険金で代償金を用意するなど、他の相続人にも納得してもらう方法をとる



顧問税理士にそのまま任せるのも良いですが、もし、顧問税理士が相続や事業承継の経験があまりない場合には、別の税理士に相談してみるのも一つの方法です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。