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相続に備えて気になる不動産(土地・建物)を徹底的に整理する方法

悩める人

家族のために、気になる不動産を何とかしたい…

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良い土地・悪い土地を分ける基準とは?

ヤマス

こんな疑問・悩みを解決します!

  • 土地・建物の具体的な整理方法
  • 良い土地・悪い土地を分ける基準
  • 資産の組み換えと譲渡の特例
  • 古いアパート・古貸家の再生
  • 貸宅地の整理方法
  • 土地活用と賃貸住宅経営
  • 一般定期借地権について
  • 農地の相続対策について
目次

所有財産の棚卸し

自分の財産を次の世代にどう引き継がせるか…。

このことは、自分が築き上げた財産であれ、先祖から引き継いだ財産であれ、相続対策という意味だけではなく、自分の人生を完成させる意味でも、大変重要なことです。

その前提を踏まえた上で、自分の財産を総点検する必要があります。

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財産には、預金・株式・土地・建物などの「プラスの財産」と、借入金、ローンなどの「マイナスの財産」の2種類があります。これらを理解しつつ、以下の6つのチェックポイントを押さえておきましょう。

  • 残すべき財産は何か

相続財産が多額の場合、全ての財産を残すことはできません。

相続税を払うために不動産を売却しなければならないケースもあります。

残したい財産の優先順位と、誰に残すのかも決めましょう。

  • 財産のバランス

財産が土地中心の地主、株式(非上場株式)以外の財産が少ない経営者など、財産には少なからず偏りがあります。

財産はなるべく様々な種類のものをバランス良く確保しておきたいものです。

  • 換金性はあるか

相続税の納付期限は、相続発生後10か月です。

相続税の納税用に数か月で換金可能な財産を用意しておくのもポイント。

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もちろん、相続税を納める方法として、「物納」という制度もあるので、物納可能な資産は換金性アリと考えることができます。

  • 改善すべき資産

不良資産から優良資産へと改善しなければならない財産は何か、いつまでに改善すべきものなのかなど、改善の方法を考えます。

  • 相続税の納め方

資産・負債の総額が把握できれば、相続税が試算できます。

相続税をどう納めるかや、節税方法の検討も可能です。

  • 生命保険の見直し

生命保険は過去の様々な経緯で加入していることが多く、自分の求める保険に加入していないケースや、無駄な保険に加入しているケースもあり得ます。

良い土地・悪い土地を分ける基準

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土地という資産には、「良い土地」と「悪い土地」の2種類があります。この2つに分ける「4つの基準」が挙げられます。

  • 収益力が高い

他の資産と同様に、少しでも利回りの高い土地が、良い土地とされます。

収益力の高い土地は是非とも残しておきたい土地です。

  • 換金性が高い

万が一の時にいつでも売れるということです。

相続税の支払いに関しては、物納できる土地であれば、換金性があると考えることもできます。

  • 分割可能である

相続人の間で財産分割が可能であることが大切です。

実際には相続財産全体で分割が可能であれば、その土地が分割できなくても問題はありません。

土地そのものは分割できなくとも、換金性が高ければ、売却して現金で分割(換価分割)することもできます。

  • 相続税評価が低い

ただ評価が低ければ良いというのではなく、その土地の本来の時価より、相続税の評価額が低い土地が、相続を考える上での良い土地です。

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以上に述べた判断基準で、財産全体を考えた上でその土地を判断します。一つの土地でこれら4つの条件の全てを満たすことなどあり得ません。

納税資金が足りない場合には、換金性が高いことが良い土地の条件になります。

逆に、納税資金が十分である場合には、収益性が高いことが、良い土地の最大のポイントになります。

資産の組み換え

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自分の財産を棚卸しすれば、その財産のどこを改善すれば良いかが分かります。円満な相続が迎えられるよう、資産の組み換えについて検討してみましょう。

資産の組み換えとは、自宅の土地・建物を含めた不動産と、金融資産などを見直して、資産の保有バランスを変えることを言います。

相続対策として不動産を活用する際は、収益性の低い物件から高い物件に買い換えたり、遊休地を売却して金融資産を増やすなどの方法が考えられます。

逆に金融資産が多ければ、預貯金の一部で投資用マンションや賃貸アパートを購入し、預貯金を不動産に変えることで相続税の評価額を低くするといった方法もあります。

土地資産の組み換えは、原則として「土地の売却」を伴うので、譲渡税(所得税・住民税)の対象になります。

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但し、一定の条件を満たしていると、税金が掛からないケースや、税率が低くなるケースがあります。悪い土地から良い土地へ、悪い資産から良い資産への組み換えを有利に行うには、以下の「譲渡の特例」を上手に活用しましょう。

  • 居住用の特例

マイホームを売却した場合には、「3,000万円の特別控除」「10年超所有の軽減税率」「居住用財産の買い換え特例」の3つの特例があります。

  • 固定資産の交換の特例

土地と土地、建物と建物というように「同種の固定資産を交換」した場合、譲渡はなかったものと見なす特例です。

借地権と底地との交換にも利用できます。

  • 等価交換

土地の一部と、その土地にデベロッパーが建てる建物の一部とを、「等価で交換」するというものです。

所定の条件を満たせば、譲渡税は掛かりません。

  • 事業用資産の買い換え特例

所定の事業用資産を売却し、所定の事業用資産に「買い換え」た場合は、譲渡代金の80%分については、譲渡がなかったものと見なす特例です。

  • 優良宅地等のための譲渡

所定の条件を満たす「優良宅地等のための譲渡」については、税率が👇に軽減されます。

  • 2,000万円以下の部分 … 所得税15% ➡ 10%・住民税5% ➡ 4
  • 市街地再開発事業・土地区画整理事業

密集した「市街地を再開発」する事業や、「土地の区画整理」を行う事業については、様々な税制上の特典があります。

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かつてはこれらの事業を行うには厳しい条件がありましたが、近年では、その条件も大幅に緩和されてきています。

古アパート・古貸家の再生

土地所有者にとって厄介な資産の一つに、古アパート・古貸家が挙げられます。

収益性が低く、換金性も悪い。

土地活用の面からも、その土地の容積率をフルに活用していないものが多く、地域の発展から取り残されている物件も、多々見受けられます。

建物そのものの老朽化も深刻な問題です。

賃貸住宅経営は「事業」として行なっているので、建物の欠陥に対する責任は、建物の所有者が負わなければなりません。

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阪神・淡路大震災の時に、この問題が大きくクローズアップされました。入居者や第三者の被害に対する「建物所有者の責任」が問われているのです。

従って、古アパート・古貸家については、防災診断耐震診断を早急に行い、欠陥のある場合には速やかに改修工事が必要となります。

改修工事でも補修が難しい場合は、その旨を入居者に必ず伝えておきましょう。

古アパート・古貸家ともなれば、立ち退きのケースが多くなるでしょう。

過去には、法外な立ち退き料を請求されたというケースもありましたが、最近では、適正な水準の立ち退き料を払うことで決着しているようです。

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古アパート・古貸家が多く立地している地域は、20~30年前においても、市街地であったところが多く、本来土地活用のロケーションとしては絶好の場所の筈です。もう一度戦略を立て直して、土地活用の再生を図ることが必要です。

貸宅地の整理

古アパート・古貸家以上に厄介なのが、貸宅地(いわゆる底地)です。

地代収入は固定資産税の3倍程度。

土地価格に対する年収では1%にも満たないケースが大半です。

また、第三者への売却も難しく、収益性、換金性の両面から、厄介な財産の代表と言えるでしょう。

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貸宅地の整理法は、次の二つに大別できます。一つは、貸宅地そのものを整理してしまう方法です。この貸宅地整理には、五つの選択肢があります。

  • 貸宅地と借地権を交換し、それぞれ単独所有とする
  • 地主が借地権者に貸宅地を売る
  • 地主が借地権を買い取る
  • 地主と借地人が共同で土地を売る
  • 地主と借地人が共同で等価交換方式によるマンションを建てる
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もう一つの方法は、借地契約を整理しておくことです。借地人との契約書を整備、貸宅地の境界・面積等を確定し、地代を適正な額にしておきます。こうすれば、その貸宅地を物納できる可能性が高まります。

物納さえできれば、貸宅地の欠点である換金性の低さは、相続税の納税という意味では、緩和されることになります。

確かに借地権者にとって、借地権は地代水準も低く、住み続ける上で有利な資産ではあります。

但し、建て替えや第三者への譲渡の場合は、地主の承諾地主への承諾料の支払いが必要です。

借地権者にとっても、借地権は本当に厄介な資産なのです。

しかしながら、何も起きていない時点でこのことに気付いている借地人は少なく、地主からの合理的な提案も、その真意を理解してくれないケースが少なくありません。

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従って借地整理には、借地人と粘り強い交渉を続けていくことが必要になります。場合によっては、信頼のおける専門の業者に依頼することも考えておきましょう。

土地活用

土地はただ持っているだけでは何の収益もないどころか、税金ばかりが掛かり続けるのです。

従って、有効活用するか、売却するか、この決断が緊急の課題となってきています。

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土地活用の比較は、下表の通りです。但し、土地活用で求められているのは、「量」ではなく「」であることを理解しておきましょう。

- 土地活用の比較 -

スクロールできます
比較項目賃貸事業定期借地権駐車場土地売却
土地の保全
一時金確保
換金性
安定収入
返済リスクの少なさ
運営管理のしやすさ
収益性
固定資産税の節税
譲渡所得税
相続税の節税
物納適格性
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現在、賃貸住宅の空室数は全国で約450万戸、空室率は14%近くにもなっています。空室を作らないためにも、その土地が何に向いているのかの判断を誤らないことです。

商業施設に向いているのか、住宅に向いているのか。

住宅であれば、マンションか、アパートか、一戸建てか。

もちろん複数の土地を所有する人は、土地活用の仕方を総合的に判断していく必要があります。

幾つかの方法を複合的に活用すれば、リスクも少なく、効果も大きくなります。

賃貸事業

賃貸事業は、相続税の節税の王道です。

賃貸事業は収益を上げるだけでなく、相続税評価額と固定資産税を下げることができます(アパート・マンション等の住宅用の場合)。

賃貸事業による評価減
  • 借家権割合 … 30%
  • 借地権割合 … 30%~90%
  • 建物 … 借家権割合=30%
  • 土地 … 借家権割合×借地権割合=9%~27%

土地については、貸家建付地として9~27%程度、評価額が減額されます。

建物についても、建物の固定資産税評価額から更に30%も減額できます。

固定資産税評価額は、建物の建築価格の約60%程度なので、最終的な相続税評価額は、建築価格の約40%程度にまで下がります。

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この相続税における評価額と土地・建物の時価との差額が、相続税の節税に役立つのです。200㎡までの土地については、後で述べる「小規模宅地等の特例」も適用され、原則として更に50%評価額が減額されます。

また、アパート・マンション等の住宅用に活用している場合は、土地の保有コストが大幅に軽減されます。

固定資産税なら6分の1、都市計画税なら3分の1に軽減されます。

定期借地権

1992年に創設された「定期借地権」による土地活用が、一般に利用されてきています。

  • 一般定期借地権
  • 事業用定期借地権
  • 建物譲渡特約付借地権
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このうち、一戸建て住宅に利用されているのが「一般定期借地権」です。一般定期借地権の特徴は、次の4点です。

  • 借地期間は50年以上
  • 契約の更新はなし
  • 増改築による期間の延長なし
  • 建物の買い取り請求権なし

つまり一般定期借地権とは、50年間の土地利用権であり、期限が来れば元の状態で土地が返ってくるという制度なのです。

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もともと定期借地権が設定された理由は、それまでの借地借家法では、借り手に有利過ぎたからです。土地を貸す地主は、一度土地を貸してしまうと、戻ってきにくかったため、土地を貸し渋り、土地を遊ばせておくことになりがちでした。

そこで、1992年の借地借家法改正で導入された定期借地権では、「時間を区切って土地を貸し、期限が来たら必ず土地を返す」ことが決められたのです。

一般の住宅などに利用される一般定期借地権を例にしますと、期間は50年以上で、契約の更新はなく、期限が来たら土地の上に建てた建物を壊して土地を返してもらえます。

これなら地主側も土地にマンションを建設して空き家が出るなどのリスクを気にせず、長い期間、地代という安定した収入を得ることができます。

借りる方のメリットとしては、土地は自分のものにならないにしても、家を建てる時に土地のために用意する金額は格安で済みます。

また、その土地は相続財産に含まれません。

小規模宅地等の特例

相続税には、居住用や事業用の土地の評価額について、特別の軽減措置が設けられています。

これを「小規模宅地等の特例」と言います。

居住用や事業用の土地のうち、330㎡(居住用)、400㎡(事業用)、200㎡(貸付用)までについては、通常の評価額から次のような割合で評価額を減額してくれます。

  • 特定事業用宅地等又は特定居住用宅地等に該当する場合 … 80%
  • 上記以外の小規模宅地等の場合 … 50%
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相続発生時点で土地がどのような状態にあるのか、その土地を誰が相続したのか、申告期限まで所有権はどうなっていたのか、などが判断の基準になります。

親が住んでいた自宅の土地の場合、その配偶者が相続すれば、評価額は330㎡まで80%の減額になります。

同居の子供が相続して住み続ける場合も同様です。

一緒に住んでいた家族が、相続税のために、自宅に住み続けることができなくなるのを防ぐ措置だからです。

評価額が80%の減額になると、1億円の土地なら2,000万円、5,000万円の土地なら1,000万円になります。

この特例によって、通常なら相続税が掛かる場合でも、税額はゼロになるケースもよくあります。

被相続人に配偶者や同居の子がいない場合、相続開始前3年以内に自分や配偶者の持ち家に住んでいない子供が相続し、相続税の申告期限まで保有し続ける場合だけ、この特例を使えます。

親が店や工場などを営んでいる事業用の宅地も、相続する子供などが事業を引き継いでいく場合、400㎡まで80%の減額ができます。

これも相続によって、事業の承継が困難になることがないように考えられたもの。

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以前は他の宅地との併用では適用面積の調整が必要でしたが、2015年からは居住用と事業用を併用する場合に限り、それぞれ限度面積まで適用でき、併せて最大730㎡まで80%の減額になりました。

貸家や賃貸アパートなどの貸付用の宅地は、相続する人が申告期限まで引き続き貸付事業を行うことを条件に、200㎡まで50%の減額が受けられます。

但し、貸付用宅地は、居住用や事業用と併用する場合には適用面積の調整が必要です。

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全て条件に当てはまる場合でも、どの宅地から優先的に特例を適用するかによって、合計の評価額は変わってくるので、専門家などに相談してみると良いでしょう。

尚、この特例を利用することで、相続税額がゼロになる場合でも、通常通り、相続開始後10か月の期限内に相続税の申告が必要です。

農地の扱い方

三大都市圏の特定市街化区域内の農地に対しては、生産緑地の指定を受けていない限り、固定資産税においても、相続税においても、宅地並みの課税が実施されています。

農業収入では、固定資産税すら払えない場合もあるので、高額な相続税の負担に耐えられるかどうかも危ういところです。

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まさに「前門の虎、後門の狼」という状況。農地の活用をどうするか、大きな決断を迫られているのです。この決断の際は、あくまで資産の全体を考えて総合的に判断する必要があります。

郊外の農地は、道路等の整備が十分でないため、開発していくことが難しい農地や、開発したとしても、コストが掛かり過ぎる場合があります。

活用しやすい土地から活用するのではなく、活用が難しい土地をどうするかを先ず決める必要があるのです。

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道路等の整備ができていない土地については、定期借地権を行使し、その保証金を造成費に充当することも考えられます。一個人では、宅地としての開発が難しい場合には、区画整理事業としての開発を考えることもできます。

農地の場合、平等な分割と農業の継続を両立させることは、残念ながら非常に困難です。

農地を細分化すれば、農業を継続することが難しくなります。

また、農家は広大な自宅を所有していることが多く、そのため自宅を分割することも困難で、相続税負担も大きくなります。

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従って、農地と家を相続する相続人に、財産の大半を相続させるか、或いは平等な相続を実現するか、被相続人ははっきり決断しておく必要があります。

遺言書もきちんと残しておき、予め全相続人から同意を得ておくことも大切でしょう。

相続発生までに、生産緑地の指定をどうするかも検討しておきましょう。

例えば、生産緑地の指定を解除して、宅地にした場合、土地の評価額はぐっと上がります。

土地の活用を考えると、生産緑地の指定を解除した方が良いでしょう。

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しかし、その分、相続税の負担は大きくなります。解除するかどうかで、相続税の負担が大きく異なるので、指定の解除については、事前に十分検討しておく必要があります。

まとめ

これからの相続問題は、二つの異なる視点から考えていく必要があります。

一つは、相続財産を受け継ぐ「相続人」からの視点、もう一つは、亡くなる人、すなわち「被相続人」からの視点です。

ヤマス

今までの相続対策の殆どは、相続人のために行われていたようなものでした。しかし、これからは、被相続人の視点から相続問題にアプローチしていくことが、重要なことではないでしょうか。

円満相続は、被相続人にとって、自らの人生を完成させるための総決算と考えることもできるのです。

被相続人が行う相続対策で最も大切なことは、相続税の節税ではありません。

被相続人自身の財産に区切りを付け、被相続人が死んだ後の憂いをなくしておくことにあるのです。

そのためには、

  1. 円満な分割
  2. 相続税の納税方法
  3. 相続税の節税

の順番に、対策を心掛けて下さい。

節税のことばかり考えて、多額な借金をしてしまったケース、分割のことを考えずに土地活用をしてしまったケース、納税資金も物納できる土地もないケースなど、相続対策の失敗事例は、枚挙に暇がありません。

こうならないためにも、「円満な分割」を最優先し、相続後の遺族の生活のことも考えながら、相続対策を検討していきましょう。

ヤマス

①分割、②納税、③節税という、相続対策の三つのポイント以上に考えておかなければならないのは、残された配偶者の住む場所生活資金です。

夫の収入や年金を夫婦の生活資金としていた場合には、夫の死亡により、妻の生活資金が枯渇してしまいます。

単身で暮らす場合は、夫婦二人で暮らす場合の「7割」もの生活資金が必要になると言われています。

配偶者の生活資金の確保も、相続対策の一環として考えておきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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